深セン証券取引所の創業板への上場を目指す江蘇宏徳特種部件(301163/深セン)が4月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2040万株を発行予定で、公募価格は6日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1994年設立の民営企業で、2017年に株式会社化した。鉄とアルミニウムの鋳造製品の研究開発、生産、販売を主業務としており、鋳鉄製品は主に風力発電設備、射出成形機、ポンプ・バルブなどの分野に、アルミ鋳物製品は医療機器、電力設備などの分野に用いられている。「匠の精神」をモットーとし、20年あまりに渡り蓄積した技術に裏付けられた高い品質により中国内外の著名企業と安定的な提携関係を築いている。
 
 特に、新エネルギーの一つとして注目される風力発電向け鋳造製品は業界をリードする地位にあり、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー、金風科技(ゴールドウインド)、ヴェスタス、エネルコンなどの顧客を持つ。2021年1〜6月期の売上構成は、鋳鉄製品が80.85%、アルミ鋳物製品が19.15%で、鋳鉄製品の中でも風力発電設備用部品が64.79%と非常に多くなっている。アルミ鋳物では医療機器用部品の売上が全体の12.38%を占める。
 
 また、産・学・研を一体化した業務・研究体系づくりを推進し、各種研究センターを設置するとともに、江蘇省内の大学と長期間にわたる研究協力関係にある。標準化への取り組みも積極的で、ISO(国際標準化機構)の鋳物製品関連技術委員会の中国窓口業務も担当する。
 
 世界の鋳物製品市場はすでに安定的な発展段階に入っており、2015年以降の生産量はほぼ1億トンから1億1000万トンの間で推移している。鋳物製品の約7割が鋳鉄製品で、15年以降はやはり7000万トン台の安定的な生産が続く。その中で中国は世界で最も多い生産量を誇る一方で、依然としてローエンド、ミドルレンジ製品が主体であり、特殊なハイエンド製品は輸入品に頼っているのが現状だ。同社を含めた中国企業は今後さらに技術力を高め、ハイエンド市場で世界の大手企業と競争できるようになることを課題としている。
 
 同社は中国国内において技術開発、製品ラインナップ、顧客リソース、ブランド力の高さといった強みを持つ一方で、生産能力や経営規模といった点で同業の上場企業に劣る。また、同社製品の主原料である生鉄、くず鉄、アルミ塊、樹脂はいずれも価格が上昇傾向にあり、さらに上昇が続けば製品の利益率が低下して業績に大きな影響を与える可能性があるほか、海外の売上が全体の30%前後を占めており、為替レートの変動も業績リスクの一つと言える。
 
 2021年12月期の売上高は7億5558万元(前期比12.41%増)、純利益は6558万元(同14.15%減)。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億6900万〜1億8500万元(前年同期比5.08〜15.03%増)、純利益は1560万〜1670万元(同0.11〜7.17%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)