上海証券取引所の科創板への上場を目指す、海創薬業(688302/上海)が3月30日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2476万元を発行予定で、公募価格は29日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2013年設立で、20年に株式会社化した。重水素化技術およびPROTAC(タンパク質分解誘導キメラ分子)技術プラットフォームに基づく腫瘍、代謝性疾患など重大疾患分野の新薬研究に取り組む。現在10項目の研究開発を進めており、複数の製品が中国内外で第2相、第3相の臨床試験段階に入っている。ブラジルで第2/3相臨床試験段階に進んでいる重水素化医薬品HC−119は新型コロナウイルス治療薬として期待されている。21年8月現在で、同社は中国国内で35件、国外で27件の特許を取得している。
 
 中国の医薬市場規模は2015年の1兆2207億元から19年には1兆6330億元と年平均7.5%のペースで拡大しており、24年には2兆2288万元、30年には3兆1945億元に達する見込みだ。これに伴い特許薬市場も15年の7082億元から19年には9094億元に拡大し、24年には1兆3782億元にまで成長するとみられている。
 
 同社は強力な研究人材群によりターゲット薬物の開発能力に長け、今後大きな発展が期待される重水素化医薬品技術やPROTAC技術プラットフォームを持ち、国際化に向けた高い競争力を有する一方で、経営規模の小ささ、販売体制の未整備などの問題点を抱えている。また、製品の商業生産が実現していないため利益が出ておらず、今後も研究開発への投資先行により損失が出続けるリスクがある。臨床研究を完了し中国国内や世界で発売認可を得るには長い時間が必要であるため、向こう数年間は利益が出ない可能性がある。
 
 2021年12月期の売上高はなく、純損失が3億167万元(前期比37.50%の損失減)。22年1〜3月期の業績予測では、売上高はなく、純損失は8951万〜1億940万元(前年同期比79〜119%の損失増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)