ドル円は東京時間の午後に急落し、121円18銭まで下げる場面があったが、その後欧州にかけて反発し、NYでは122円台を回復。122円25銭までドル高が進む。米長期金利の上昇が支えに。ユーロドルは小幅に下落。1.0981まで売られたが、底堅い動きが続く。株式市場はまちまち。ダウとS&P500は上昇したが、金利高にナスダックは22ポイントの下落。債券は大幅に続落し、長期金利は2.5%まで続伸。金は反落し、原油は反発。

2月中古住宅販売成約件数         →  -4.1%
3月ミシガン大学消費者マインド(確定値) →  59.4

ドル/円    121.64 ~ 122.25
ユーロ/ドル  1.0981 ~ 1.1025
ユーロ/円   133.91 ~ 134.62
NYダウ +153.91  → 34,861.24ドル
GOLD    ―8.00 → 1,954.20ドル
WTI     +1.56 →  113.90ドル
米10年国債 +0.101 → 2.473%

【本日の注目イベント】

英 ベイリー・BOE総裁講演
米 予算教書

「プーチン氏は、権力の座に留まることはできない」バイデン大統領は26日、欧州歴訪の締めくくりとなるポーランドの首都ワルシャワでプーチン氏のことを強い口調でこのように非難しました。バイデン氏は演説に先立ち、ワルシャワにあるウクライナ避難民の関連施設を訪問した際にも、プーチン氏を「虐殺者」と批判していました。これに対してロシアのペスコフ大統領補佐官は、「プーチン大統領の将来は『バイデン』が決めることではなく、ロシアの大統領はロシア国民によって選ばれた」とロイター通信にコメントしました。敢えて「大統領」という敬称を付けずに「バイデン」と呼び捨てにしたように、双方の口撃はエスカレートしてきました。昨日のNHKニュース番組でも、ロシア専門家の教授は「バイデン氏の発言は内政干渉にあたる」とコメントしていましたが、賛否両論があるようです。

ロシアの侵攻から1カ月が経過しましたが、ウクライナの港湾都市マリウポリの一部はロシア軍に掌握されたと報道されています。ウクライナ側も長引く戦闘から武器が枯渇してきたのか、ゼレンスキー大統領は米国など西側諸国に武器の提供を訴えています。今朝の情報ではウクライナ代表団のメンバーが、ウクライナとロシアの代表団が28-30日にトルコで会談すると、ネットに投稿しています。ロシア側は29-30日に対面協議で会談することを発表していまが、開催予定地については特定していません。戦争は長期化の様相を見せており、プーチン氏は追い詰められているようで、生物、化学兵器使用の可能性も取り沙汰されています。バイデン大統領は、「ロシアが化学兵器を使用する明確な兆候がある」と述べています。

先週末の東京市場では朝方122円43銭前後まで上昇したドル円が、午後には121円18銭まで急落する場面がありました。これは、債券市場で円の金利が0.24%まで上昇したにもかかわらず、日銀が午前の定例金融調節で「指し値オペ」を見送り、午後にも動かなかったことが円買いを強めました。現在日銀の長期金利誘導目標は「ゼロ±0.25%」で、先週末はこの上限に近づいてきたことで「指し値オペ」への期待もあったようです。この日の円急騰は、オペ実施を前提として円安を見込んでいた筋の円の買い戻しと見られています。東京時間でドルが高値から1円以上も下落したことは、今回の上昇局面では初めての事になりますが、25日には鈴木財務大臣が、「急激な円相場の変化は好ましくない」と、やや「口先介入」を思わせるような発言もあったようです。

東京で121円台前半まで下げたドル円はほどなく122円台を回復しましたが、米金利の上昇が大きく影響しています。米長期金利は先週末に2019年4月30日以来となる2.5%台まで上昇しました。ドル円はここ最近、米長期金利の上昇に引っ張られる形で122円台まで買われて来ましたが、この先、米長期金利の上昇にさらに拍車がかかるようだと、市場が最も関心を寄せ、注目している「125円」も視野に入ってくるかもしれません。NY連銀のウイリアムズ総裁は25日のパネル討論で、「FOMCの1回の会合で50ベーシスポイント利上げをすることが適切なら、そうすべきだ。どちらかを選択しない理由はない。経済に起きていることに基づいた正しい決定が必要だということだ」と述べ、データによって正当化されるなら0.5ポイントの利上げを検討すべきだとの認識を示し、この発言が長期金利とドル円の上昇につながったと思われます。(ブルームバーグ)ウイリアムズ総裁は地区連銀総裁の中でも「別格」で、FOMCでの投票権を常に有しており、会合の際には副議長を務めます。それだけに同総裁の発言は注目され、影響力も大きいとみられています。FOMCメンバーが急速にタカ派寄りにシフトしてきたことはこの欄でも何度か触れていますが、市場の見方はさらにタカ派的になっています。シティーグループのエコノミストは、年内の利上げ予想を修正しています。高インフレが根強く続く中、年内に合計2.75ポイント利上げするとしました。これには4回連続で0.5ポイントの利上げが含まれるとしており、筆者が知る限り、現時点で最もタカ派的な予想だと思います。

本日のドル円は121円50銭~122円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)