ドル円は一段と上昇し、NYでは122円41銭と、約6年ぶりのドル高を示現。米利上げペースの加速化に加え、失業保険申請件数の減少など、良好な米景気もドル買いにつながる。ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。株式市場は3指数が揃って反発し、ともに1%を超える上昇。アップルなど大型ハイテク株の上昇が目立った。債券は売られ、長期金利は2.37%台まで上昇。金は続伸し、原油は反落。

3月マークイット製造業PMI(速報値)    →  58.5
3月マークイットサービス業PMI(速報値)  →  58.9
3月マークイットコンポジットPMI(速報値) →  58.5
経常収支(10-12月)           →  -217.9b
2月耐久財受注                →  -2.2%
新規失業保険申請件数             →  18.7万件

ドル/円    121.57 ~ 122.41
ユーロ/ドル  1.0966 ~ 1.1013
ユーロ/円   133.51 ~ 134.57
NYダウ +349.44  → 34,707.94ドル
GOLD   +24.90 → 1,962.20ドル
WTI     ―2.59 →  112.34ドル
米10年国債 +0.080 → 2.372%

【本日の注目イベント】

日  3月東京都区部消費者物価指数
独  3月ifo景況感指数
英  2月小売売上高
米  2月中古住宅販売成約件数
米  3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁、講演(オンライン)
米  ウォーラーFRB理事、講演(オンライン)

連日上昇を続け「大台替え」を見せているドル円は、122円台半ばまで続伸してきました。FOMCメンバーによるタカ派発言が原動力になっていますが、昨日は新規失業保険申請件数が「18.7万件」と、1969年以来の低水準まで減少したことで、米景気の底堅さが意識されたこともドル買いを促したようです。個人的にには、それ以上に市場参加者が「ドル高センチメント」に傾いていることが大きな要因とみていますが、正確には「円売りセンチメント」と言った方が正しいのかもしれません。

円は全面安で、クロス円でも軒並み大きく円安が進んでいます。ユーロ円は134円台半ばまで上昇し、2018年2月以来となる高水準です。ドル円ではドル高円安が急速に進む一方、ユーロドルでは前日の水準をほとんど変わっていません。ドル円が上昇した分、ユーロ円も押し上げられたといったところです。ドル円はここまで来ると、2015年6月に記録した125円86銭がターゲットになります。この水準は「黒田シーリング」とも言われ、黒田日銀総裁が国会で、「円がこれ以上安くなることはない」と言ったレベルです。焦点は、ここに達する前に、財務省などから「円は売られすぎ」といった「口先介入」があるかどうかです。ドル買いを進めている投資家も、ここからは「こわごわ」ドル買いを進めることになるのでしょうが、「口先介入」がないとわかれば、一気に上記水準を突破する可能性があるかもしれません。

ベルギーのブリュッセルでNATO首脳会談とG7が行われバイデン大統領も参加し、会見では、ロシアは「G20」から排除されるべきだと述べ、米国は最大10万人のウクライナ難民を受け入れる用意があると会見で語っています。ロシアのウクライナ侵攻の結果、「世界は食料不足に見舞われるだろう」と述べ、増産がG7の議題の一つであるとも述べています。バイデン氏は「食料不足が現実化するだろう」と述べ、「制裁の代償はロシアだけに科されているわけではなく、欧州諸国や米国を含む極めて多くの国も科されている」と指摘しています。(ブルームバーグ)

NATOはウクライナへの武器の提供を増やすことを決め、中国に対してロシアへの経済および軍事支援を提供しないよう強く求めています。バイデン大統領も、先日の習近平主席との電話会談で、中国がロシアへ武器等の支援を行えば、代償を科すと警告していました。今朝の報道では、中国の泰剛駐米大使が23日、香港のフェニクステレビに対し、「中国とロシアの協力関係にタブーはないが、許容できる最低限度はある」とし、「この限度は国連憲章の教義、原則、および国際法や国際関係の広く認められた規範だ」と述べています。これは、先の北京オリンピックの際にプーチン氏と習氏が「両国の友好関係に制限はない」と宣言したことを「修正」する形の発言です。

FOMCメンバーによる講演が相次いでいますが、ここにきてタカ派的な発言が一気に増えてきた印象です。前日のサンフランシスコ連銀のデーリー総裁に続いて、ハト派と見られているシカゴ連銀のエバンス総裁はデトロイトでの講演で、「毎回の会合で0.25ポイント引き上げることに違和感はない」と述べ、「そう遠くない将来に中立水準に到達したい。0.5ポイントの利上げがそのとき役立つかもしれない。私はそれにはオープンだ」と語っています。パウエル議長は今週月曜日の講演後の質疑応答で、5月FOMC(5月3~4日)会合での0.5ポイント利上げを妨げる要素はあるのかとの質問に対し、「妨げるものなどあるだろうか。何もない」とした上で、「決定はなされてないが、最新のデータで正当化されれば可性はある」との認識を示し、「同僚と私は、より迅速に行動する必要があるとの結論に達する可能性が十分あり、その場合はそう行動するだろう」と語り、ドル一段上昇のトリガーになりました。この「同僚と私は」という発言を受け、筆者はどのメンバーがパウエル氏と同様な考えを持っているのかに注意を払ってきましたが、今週これまでの講演で述べられた発言では、やはりほぼ全ての「同僚」がパウエル氏と同じ認識だという印象を受けました。(参照:What’s going on )

今日は金曜日です。来週にかけてウクライナ情勢や金融市場にどのような動きがあるのか、非常に不透明です。本日のドル円は121円80銭~122円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)