上海証券取引所の科創板への上場を目指す、栄昌生物製薬(煙台)股フェン(688331/上海)が3月22日に、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5443万株を発行予定で、公募価格は21日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2008年設立の民営企業で、20年に株式会社化。20年11月には香港メインボードに上場した(09995/香港)。抗体薬物複合体(ADC)、抗体融合タンパク質、モノクローナル抗体、二重特異性モノクローナル抗体などの治療性抗体分野に特化したバイオ企業で、自己免疫疾患、腫瘍、眼科疾患などの分野向けに安全で友好な臨床ソリューションプランを提供している。同社が開発したHER2陽性固形腫瘍をターゲットとするADCのRC48は、中国国内初のADC創薬として認可された。目論見書発行時点でRC48と自己免疫性疾患用のRC18の2種類が、計3つの適応症の治療薬として中国国内で発売されており、このほかに7種類の製品について20あまりの適応症の治療薬としての臨床試験が進んでいる。
 
 中国の医薬市場は2020年に1兆4500億元規模に達し、30年には倍以上の2兆9900億元にまで拡大する見込みであり、中でもバイオ医薬市場は化学薬品、中薬を上回る勢いで成長している。16年の中国のバイオ医薬市場は1836億元で、20年には3457億元にまで増えた。25年には8116億元、30年には1兆2943億元に到達すると予想されている。
 
 同社は高い市場競争力や優位性を持つバイオイノベーション薬の開発に積極的に取り組んでおり、今後次々と認可を受けて発売を実現すれば大きな売上、利益の獲得が期待できる。また、世界のGMP基準を満たす生産体系や、充実した品質管理体制を整えていることなどが強みだが、2021年に初めて製品の発売を実現したばかりで利益が出ていない。後続製品の開発失敗、あるいは認可取得の大幅な遅れが発生して今後数年間利益が出ない状態が続けば、上場廃止となるリスクがある。

 2021年12月期の売上高は14億2636万元(前期比46753.31%増)、純利益は2億7625万元(前期は6億9782万元の純損失)。22年1〜3月期の業績予測では、売上高が1億2800万〜1億7300万元(前年同期比2878.21〜3929.34%増)、純損失が3億2900万〜4億4500万元(同79.17〜142.41%の損失増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)