深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、蘇州富士莱医薬(301258/深セン)が3月17日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2292万株を発行予定で、公募価格は48.3元。公募開始後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2000年設立の民営企業で2013年に株式会社化した。医薬中間体、原薬、健康食品原料の研究開発、生産、販売を主業務とする。αリポ酸系、大豆リン脂質系、カルノシン系の3大系列製品を主力製品とし、特に全売上の80%近くを占めるαリポ酸系製品は世界市場における重要なサプライヤーの地位を確立している。中国国内のみならず、欧米、日本、韓国、インド、南米などの海外市場で多くの企業と長期的な提携関係を築いてきた。
 
 中間体や原薬業界は医薬品産業チェーンの中流に位置し、特に近年は特許期限を迎える先発医薬品の増加、ジェネリック医薬品の増加に伴って需要が高まっている。2019〜24年の間に世界で1980億米ドル程度の販売額をもつ先発医薬品の特許が期限を迎えることから、今後も安定的な需要増が見込まれる。20年における世界の原薬市場規模は約1749億ドルで、26年には2458億ドルに達する見込みだ。21〜26年における年平均成長率は5.84%に達し、中間体市場規模も同程度のペースで成長するものと見られている。
 
 中国は世界の主要な原薬生産国、輸出国となっており、2019年には原薬輸出量が1000万トンを突破した。中国および海外での原薬需要の高まりに伴って、同社が属する中国の原薬産業は引き続き高い成長を実現する見込みだ。
 
 同社は充実した研究開発プラットフォーム、先進的な生産技術、幅広い市場チャネル、αリポ酸製品で培ったブランド力といった強みを持つ一方で、現時点で生産ラインがフル稼働状態にあり、増え続ける需要を満足させるための生産能力が不足しているという問題点を抱えている。また、売上がαリポ酸製品に集中しており、大豆リン脂質系、カルノシン系製品をはじめとする他製品の売上を増やすことも課題だ。さらに、輸出額の2割程度が米国で占められており、米中関係の悪化による貿易状況の変化も同社にとっては不安要素となる。
 
 2021年12月期の売上高は5億2169万元(前期比9.40%増)、純利益は1億2020万元(同14.78%減)。22年1〜3月期の業績予測は売上高が1億2972万〜1億3972万元(前年同期比12.76〜21.45%増)、純利益が3481万〜3744万元(同29.52〜39.29%増)となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)