上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す広州鹿山新材料(603051/上海)が3月16日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2300万株を発行予定で、公募価格は15日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1998年設立で、2009年12月に株式会社化した。環境に優しく高性能な高分子ホットメルト接着剤の研究開発、生産、販売を主業務とする。製品は複合建材、石油・ガス用パイプ、高バリア包装、太陽光発電、フラットパネルディスプレイなど広い分野に応用されており、中国国内のみならず多くの国・地域の顧客に製品やソリューションプランを提供している、中国国内業界をリードする高性能ホットボンド材料企業の一つである。また、自然分解性が高く環境に優しい材料、医療用材料などの新製品開発にも積極的に取り組んでおり、市場開拓を進めている。
 
 2021年1〜6月期の売上構成ではポリオレフィン系ホットメルト接着剤顆粒が全体の50%以上を占め、中でも複合建材ホットメルト接着剤が38.3%と最も高くなっている。また、ホットメルト接着フィルムが34.01%となっており、その殆どが太陽光電池向けのホットメルト接着フィルムである。同社は国家級のハイテク企業として、国内をリードするホットメルト接着材料研究開発センターを持ち、国家規格2項目、業界規格3項目の制定に参加したほか、100件の国内特許を取得している。
 
 ホットメルト接着剤は接着力が強く、耐候性に優れており、従来の液体型接着剤よりも高い環境保護性を持つ。その使用量は年々安定的に増えており、世界のホットメルト接着剤市場は2015〜25年に年平均5.2%のペースで成長し、25年には市場規模が85億米ドルに達するとみられる。また、中国のホットメルト接着剤市場も成長しており、販売額は17年の約172億元から20年には約218億元に増加した。21〜25年の第14次五か年計画期間は年平均7%前後の成長を見込んでいる。
 
 同社は良好な市場環境の中で高い技術力、商品開発力、ブランド力を強みとしてさらなる発展を目指す一方、主な取引先である建材業界、石油・ガスエネルギー業界、太陽光発電業界は政府の産業政策による影響を比較的受けやすい特性を持っており、同社にとっては経営上のリスクとなり得る。また、同社製品の主要材料となるポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ポリエチレンオキシドを作るのに必要な石油などの基礎原料価格が上昇し続けており、この状況がさらに続けば同社製品の粗利率が低下して業績に悪影響を及ぼす可能性がある。また、材料の多くを輸入に頼っている点もリスク要因と言える。
 
 2021年12月期の売上高は16億9320万元(前期比67.39%増)、純利益は1億1350万元(同1.93%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)