深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、杭州和順科技(301237/深セン)が3月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2000万株を発行予定で、公募価格は56.69元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2003年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。二軸配向ポリエステル(BOPET)フィルムの研究開発、生産、販売を手掛け、様々な仕様、用途のBOPETフィルム製品を生産している。薄膜は環境に優しく、電気、磁力、力学、化学など総合的な性能に優れた高分子フィルム材料で、電子、高学、包装、建築、自動車、太陽光発電、航空宇宙などの分野で応用されており、実に広大な市場を持っている。同社は特に電子製品、電気工業、自動車、建築、包装や装飾といった工業分野向け重要技術を獲得し、主力製品である各種有色光学ベースフィルム、透明フィルム、機能性フィルムを生産、販売する。
 
 中国のポリエステルフィルム需要は2011年の115万トンから20年には265万トンと年平均8.71%のペースで増加した。用途の拡大、電子産業の発展などに伴い今後も需要が持続的に高まるものとみられる。中国国内のポリエステルフィルム生産は立ち上がりが遅く、15年時点では輸出量と輸入量がほぼ同じ約23万トンだったが、19年には輸入32万8000トンに対し輸出が52万9000トンにまで増加、国内生産能力が大きく拡大した。ただ、中国でのポリエステルフィルム生産はローエンド向けが主体であり、ハイエンド向け製品は依然として大きく輸入に頼っているのが現状だ。同社は高い技術力を活かし、輸入に依存しているハイエンドフィルム製品の国産品置き換え加速を目指す。

 一方で、同社は経営規模が小さいために生産能力が不足しており、2020年12月31日現在のポリエステルフィルム生産能力が4万2000トンと、多いところで12万トンの生産能力を持つ同業他社より少ないほか、生産能力が低いために主力製品である光電分野向け製品の市場シェアを十分に獲得できていない点がボトルネックだ。また、生産設備の型式が競争相手より古く、新たな設備への置き換えを進める必要もある。このほか、原材料価格の高騰、市場競争激化に伴う粗利率の低下といった経営リスクを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は6億3962万元(前期比69.66%増)、純利益は1億2369万元(同66.76%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)