上海証券取引所の科創板への上場を目指す、首薬控股(北京)股フェン(688197/上海)が3月14日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3718万株を発行予定で、公募価格は39.90元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2016年設立の民営企業。低分子薬品の創薬企業で、非小細胞性肺がん、リンパ腫、肝細胞がん、膵臓がん、甲状腺がん、卵巣がん、白血病などの腫瘍や、2型糖尿病などを標的とした新薬の研究開発を行っている。目論見書発行日現在で17種類の候補化合物(うち6種類が自社単独開発、11種類が共同開発)が臨床研究段階に入っている。

 「中国の患者が手に入れられる新薬開発」を経営理念とし、抗腫瘍薬物、代謝疾患薬物、自己免疫疾患薬物などの国産イノベーション薬の競争力を高め、外国製薬品への依存を低減して、中国国内の患者により多くの、より優れた臨床薬物を提供し、患者の薬品へのアクセシビリティを大きく向上させることが発展ビジョンだ。また、現在進めている低分子創薬の実力を高めるとともに、将来的には高分子のバイオ薬の研究開発も実施し、国内の業界をリードし、国際的な競争力を備える一流の創薬企業となることが目標である。
 
 中国では寿命の延長、激しい環境汚染、生活習慣の変化などによって新たにがんを発症する患者の数が年々増加しており、2019年には439万9700人ががんと診断された。23年には486万5000人まで増える見込みだ。これに伴い抗腫瘍薬物市場規模も急速に拡大しており、19年の1827億元から24年には3564億元、30年には6604億元にまで到達するとみられている。同社が研究開発を進めている低分子抗腫瘍薬物の中国における市場規模も、15年の74億元から19年には265億元と年平均37.6%で増加し、19年から24年までは年平均28.7%のペースで成長して938億元に達し、24年から30年までは年平均12.6%での成長で1916億元にまで拡大することが予想される。
 
 同社は標的や適応症の種類が豊富であり、多くの開発品において他社製品との差別化を図っている。また、新薬研究開発体系を完備しており、予備研究から治験に至るまでの自己開発が可能である点も強みだ。一方で、大手企業に比べると治験チームの規模や経験が限られており、治験や関係当局のコミュニケーション経験豊富な人材の確保が課題。また、自社製品が現時点で開発段階にあって製品の販売経験に乏しく、ブランドの知名度や市場影響力が低いこともボトルネックだ。さらに、薬品販売による売上がなく、今後も一定期間は利益が出ない状態が続くリスクを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は1303万元(前期比85.67%増) 、純損失は1億4624万元(同55.70%損失減)。売上は主に他社との共同研究による技術開発、サービス提供によるもの。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)