上海証券取引所の科創板への上場を目指す、陝西莱特光電材料(688150/上海)が3月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4024万株を発行予定で、公募価格は22.05元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2010年設立の民営企業で、14年に株式会社化した。OLED有機材料の研究開発、生産、販売を主業務とし、発光層の赤色プライム材料と正孔輸送層材料を主とするOLED末端材料とそのフロントエンド製品であるOLED中間体を製品として扱う。21年6月末現在で国外特許を含む66件の特許を取得するなど優れた技術開発力、高い製品性能、完備されたサービス体系により幅広い顧客の獲得に成功しており、京東方(000725/深セン)、華東光電、和輝光電など世界的に有名なディスプレイパネルメーカーを顧客に持つ。20年における、同社の世界OLED有機材料市場シェアは約2.46%。
 
 OLED産業は韓国メーカーが先発の強みを生かして技術、市場シェアのいずれにおいても優位に立っている。一方で、京東方をはじめとする中国のディスプレイパネルメーカーも急成長しており、2016年に1.1%だった世界のスマートフォン用AMOLEDパネル市場シェアが20年には13.2%に上昇した。今後も中国のOLED企業は市場シェアを急速に拡大することが予測され、これに伴って付帯産業であるOLED材料企業にも大きな商機が生まれている。特に、高い技術力を持つ海外OLEDパネルメーカーは特許や技術を封鎖するとともに、自国の材料企業を囲い込んでおり、中国のOLEDパネル企業がさらに競争力を高めるために、国内OLED材料企業の成長が欠かせないという背景もある。
 
 世界のスマートフォン向けAMOLEDパネル出荷量は2017年の4億100万枚から23年には7億6200万枚へと、年平均11.29%のペースで増加する見込みだ。また、19年時点で利用率が2%に留まっているテレビ向けのAMOLEDパネルも、出荷量が17年の150万枚から1040万枚へと年平均38.09%のペースで急増すると予想されている。また、ウェアラブル端末、VRデバイスなど新たな分野での利用も広がっており、AMOLEDの需要はさらに高まっている。
 
 中国でのAMOLEDパネル販売額は19年に185億1700万元に達しており、23年には約4.5倍の840億元を突破する見込みだ。これに伴い、国産OLED材料市場も19年の15億4000万元から25年には47億1000万元にまで拡大する。
 
 同社は大手OLEDパネルメーカーと良好な関係を築き、高い技術開発力を持っている一方で、海外の競合企業に比べると市場シェア、特許取得数などの面で劣っており、競争力には一定の差がある。また、OLED製品の世代交代ペースが速く、絶えず高まる材料への要求に対応する必要があること、コストダウンの圧力を受けていることなどが業界全体の課題となっている。このほか、売上に対する京東方への依存が大きいこと、重要技術の外部流出なども経営上のリスクと言える。
 
 2021年12月期の売上高は3億3665万元(前期比22.59%増)、純利益は1億923万元(同54.55%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)