上海証券取引所の科創板への上場を目指す、北京理工導航控制科技(688282/上海)が3月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2200万株を発行予定で、公募価格は65.21元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2012年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。管制航法システムおよび関連部品の研究開発、生産、販売、およびナビゲーション、制御誘導システム関連技術サービスの提供を主業務とする。製品は主に遠距離誘導ミサイルなどの武器に用いられており、陸軍や空軍の装備における管制航法システムの主要サプライヤーとなっている。また、民間用市場の開拓も始めており、ドローンや無人船、自動運転車、エネルギー資源採掘、測量といった分野への応用を目指す。2021年1〜6月期における軍用、民間用の売上構成は、軍用が97.71%、民間用が2.29%となっている。
 
 管制航法システムと誘導制御産業は中国政府が発展を奨励しているハイテク産業で、光、機械、電気の製造技術、精密測量、微小信号処理、微小誤差モデル構築などの重要技術を網羅し、軍事分野のみならず、民間用の各分野で広く応用されている。軍用では各種飛行機、ミサイル、遠距離ロケット、誘導弾、潜水艦や水上艦、戦車などに用いられ、民間向けでは宇宙船、陸地や海洋の探査、自動運転、携帯電話、ウェアラッブル端末、VR/ARデバイスといった分野で使われている。
 
 中国では経済成長に伴って軍事費も年々増加しており、重要技術である軍用管制航法システム市場も拡大している。また、民間分野で用途が広がっていることもあり、管制航法システムの市場規模は2015年以降年間10%を超えるペースで成長、今後も同様のペースで市場規模が拡大する見込みだ。2019年の市場規模は173億9000億元で、26年には481億7000万元にまで達するとみられる。
 
 同社は軍事向け製品を主力として軍事関連機関を顧客に持つ、高い技術力やハイレベルな研究人材を持つといった点を強みとしている一方、経営規模が小さく、生産能力が小さくニーズの拡大に対応しきれない、民間用市場開拓に向けた研究開発やマーケティングなどの人材が不足しているといったボトルネックを抱える。研究開発を強化して製品のラインナップを増やし、軍民双方の市場で高い競争力を確保することが同社にとっての課題だ。

 2021年12月期の売上高は3億1822万元(前期比4.01%増)、純利益は7307万元(同2.55%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)