深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指す、深セン市康冠科技(001308/深セン)が3月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4249万株を発行予定で、公募価格は7日に発表する。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1995年設立の民営企業で、2019年に株式会社化した。スマートディスプレイ製品の研究開発、生産、販売を主業務とし、商用分野のスマートインタラクティブディスプレイ、家庭用のスマートテレビなどを主力製品としている。20年のスマートインタラクティブディスプレイパネル海外出荷数世界一、20年と21年におけるスマートテレビ出荷数世界5位など、スマートディスプレイ業界のリーディングカンパニーの一つとなっている。
 
 スマートインタラクティブディスプレイ製品は、スマート教育、スマートオフィス、eスポーツ、セキュリティ、商業展示、医療などますます広い分野で応用シーンが増えており、世界的な需要が急速に伸びている。2015年の世界におけるインタラクティブディスプレイ需要は151万台で、20年には221万5000台まで増加。25年には282万台に達すると予測される。2020年の世界的な新型コロナ感染拡大がリモートワーク、オンライン教育、オンライン医療などの需要を刺激したことも、スマートインタラクティブディスプレイ業界の発展が促される契機となった。
 
 中国は世界のスマートディスプレイ産業チェーンの中心的な地位を確保しており、これまで勢力を保ってき台湾や韓国のメーカーの競争力が下がる一方で、中国メーカーの著しい成長を遂げている。また、中国国内では激しい競争の中で小規模メーカーが徐々に淘汰され、同社のように高い技術力、安定したサプライチェーンを持つ大型メーカーに集約されつつある。今後、これらの中国の設計生産企業が今後さらに多くの世界シェアを獲得することが見込まれる。
 
 一方、スマートディスプレイ業界では注文が小ロットで型式や種類が多いという特徴があり、近年顧客からのさまざまな注文を受ける中で同社の生産能力はほぼ飽和状態となっており、設備の更新や生産能力の拡大が喫緊の課題となっている。また、2020年以降、同社製品の材料となる液晶パネルや半導体が世界的に供給不足となって値上がりしており、同社の製造コスト増を招いている。今後も価格の上昇が続けば、経営状況をさらに圧迫するリスクとなる。
 
 2021年12月期の売上高は118億8874万元(前期比60.34%増)、純利益は9億2306万元(同90.38%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)