上海証券取引所の科創板への上場を目指す、北京格霊深瞳信息技術(688207/上海)が3月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4625万株を発行予定で、公募価格は39.49元。公募終了後速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2013年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。コンピュータビジョンとビッグデータ解析を利用シーンと深く融合させ、都市管理、スマート金融、小売、スポーツ・健康、軌道交通運営管理などの分野向けに人工知能(AI)製品やソリューションプランを提供する。中国国内では早い時期からコンピュータビジョン分野の研究開発に取り組み、数多くの自己開発アルゴリズムを有している。
 
 同社が開発するAI製品は主にデータの収集、識別により原始データをインテリジェントデータに変換する行動分析装置、カメラ、顔認証、サーモグラフィ設備などのインテリジェントフロントエンド製品、インテリジェントデータの解析を行うインテリジェントプラットフォーム、各業種、分野にてデータを利用するためのアプリケーションプラットフォームの3つに大きく分けられる。自社製品単独での利用のほか、他社のソフト・ハードウェアや技術サービスとの組み合わせも可能で、幅広い分野の顧客向けに適切なソリューションプランを提供することが可能だ。
 
 技術の進歩に伴いAIはますます多くの分野で応用されている。新たな産業を生み出すとともに、既存の産業にもスマート化の変革をもたらしており、AI市場は今後も非常に大きな発展の可能性を秘めている。中国政府も21〜25年の第14次五か年計画にて「インターネット、ビッグデータ、AIなどと各産業との深い融合」を明確に打ち出すなど、AI産業の発展を引き続き支援する姿勢だ。
 
 2019年における中国のAIコア産業規模は1088億元、AI関連産業は3821億元となっており、2025年までにコア産業が4532億元(年平均26.8%増)、関連産業が1兆6648億元(同27.8%増)にまで成長すると予測されている。また、コンピュータビジョン分野もコア産業が19年の633億元から25年には1537億元(同15.9%増)、関連産業が1438億元から4858億元(同22.5%増)に成長する見込み。
 
 同社は高い研究開発力、技術の蓄積、開発製品のスピーディーな商業化力、高性能、高品質な製品やサービスによる信頼度の高さ、ハイレベルな研究人材といった点を強みとしている一方で、顧客が都市管理や金融といった比較的競争が激しい分野に集中して売上の8割以上を占めていること、同業他社に比べて経営規模が小さいこと、技術開発への投資を積極的に進める一方で販売・サービス体系構築への投資が不十分であり営業力が弱いことが課題。IPOで調達予定の資金の一部を販売・サービス体系の改善に用いる計画だ。
 
 2021年12月期の売上高は2億9356万元(前期比20.95%増)、純損失は6841万元(同12.14%損失減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)