上海証券取引所の科創板への上場を目指す、珠海高凌信息科技(688175/上海)が3月4日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2323万株を発行予定で、公募価格は51.68元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は1999年設立の民営企業で、2016年に株式会社化した。軍用電信ネットワーク通信設備、環境保護IoTアプリケーション製品、ネットワーク・情報セキュリティ製品の研究開発、生産、販売とともに、総合的なソリューションプランの提供を行うハイテク企業である。2021年1〜6月期の売上構成は軍用電信ネットワーク通信設備が42.93%、環境保護IoT関連が27.61%、ネットワークコンテンツセキュリティが19.11%、ネットワーク空間内因性セキュリティが10.34%となっている。
 
 軍用の通信設備や民間用ネットワークセキュリティは高い技術が求められる分野であり、同社は社員総数の50%にあたる309人の研究人員を抱えており、2020年には売上高の15.48%に相当する額を研究開発に投入した。自社の製品開発センターでの研究開発に加え、軍隊や政府機関、研究機関との間で多くの共同研究室や開発センターを設けており、ハイレベルな研究開発能力を確保している。
 
 軍事通信分野は軍隊の指揮系統を保障する基本手段であり、国防情報化の重要分野であることから、中国の経済成長に伴い軍事費が増加する中で軍事通信分野への投資も年々増えていくことが予想される。また、中国のIoT市場は2017年以降年間20%を超えるペースで成長を続けており、17年の1兆1731億元から20年には2兆1415億元にまで増え、22年には3兆2510億元に達すると見込まれている。IoTや人工知能などを駆使したスマート環境保護市場も急速に拡大し、市場規模は18年の632億元から22年には倍以上の1320億元に達するものと見られる。

 近年、インターネットが急速な普及する中でサイバー攻撃も増加し、影響が及ぶ範囲も拡大の一途を辿っているため、ネットワークセキュリティがますます重要視されている。中国の市場規模は安定的な拡大を続けており、19年には前年比17.1%増の1563億元に達し、20年には1702億元に増えたとみられる。同社が扱う主要事業はいずれも今後引き続き安定した成長が見込める環境にあると言えるだろう。
 
 一方で、競合企業に比べると経営規模が小さく、研究開発への投資や研究人員も少ない。競争力をさらに高めてさらなる成長を実現するためには、研究開発の一層の強化が求められる。特にネットワーク空間内因性セキュリティは比較的新しい技術であり、市場における認知度を高めることが必要だ。また、軍用通信設備事業は年によって売上高が大きく増減しており、安定した収入を得にくいというネックを抱えている。
 
 2021年12月期の売上高は4億9525万元(前期比24.57%増)、純利益は1億1904万元(同8.87%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)