ドル円は続伸。米第4四半期DGPが上振れしたことで、利上げが加速するとの見方からドル円は115円49銭まで上昇。ユーロドルは続落。一時は1.1132まで売られ、約7カ月ぶりのユーロ安を記録。日中には反発してプラス圏で推移していた株式市場は結局3指数は揃って続落。特にナスダックの下げがきつく、189ポイント下落。債券は反発。長期金利は1.8%前後で推移。ドルが買われたことで金は大幅安となり、1800ドルを割り込む。原油は反落。

新規失業保険申請件数       →  26.0万件
12月耐久財受注         →  -0.9%
10-12月GDP(速報値)    →  6.9%
12月中古住宅販売成約件数    →  -3.8%

ドル/円     115.16 ~ 115.49
ユーロ/ドル   1.1132 ~ 1.1162
ユーロ/円    128.32 ~ 128.78
NYダウ     -7.31 → 34,160.78
GOLD    -37.00 →  1,795.00ドル
WTI      -0.74 →  86.61ドル
米10年国債  -0.064 → 1.799%

【本日の注目イベント】

豪  第4四半期生産者物価指数
日  1月東京都区部消費者物価指数
独  10-12月期GDP(速報値)
欧  ユーロ圏1月消費者信頼感(確定値)
欧  ユーロ圏1月景況感指数
米  10-12月雇用コスト指数
米  12月個人所得
米  12月個人支出
米  12月PCEコアデフレータ
米  1月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

前日のFOMC後のパウエル議長の会見を境に上昇したドル円はさらに買われ、NYでは115円台半ばまでドル高が進みました。日米大幅株安の影響や、ウクライナ情勢の緊迫から「リスク回避の円買い」がドルの上値を抑え、重苦しい展開が続いていましたが、約2週間ぶりに115円49銭まで買われています。昨日は米金利が低下しましたが、今後はさらに米金利が上昇するとの観測が支えとなりドル買いが優勢となったようです。

26日(日本時間27日4時30分)に行われたパウエル議長の記者会見では、個人的にはそれほどタカ派的だったとは思えませんでしたが、市場の反応は異なったようです。議長は会見で「政策金利を引き上げるのが適切だ」と述べ、3月の会合で政策金利を引き上げることを示唆した格好になりました。ただ、ここの部分は既に予想された通りです。注目された引き上げ幅と、引き上げの回数については「何も決まっていない」と述べるに留まり、明確な方向性は示していません。ただ、市場は「0.5%引き上げることを否定しなかった」とか、あるいは、「0.5%引き上げの余地を残す発言だった」と受け止め、ドルが買われ、株と債券売りに走りました。「人は、窮地に立たされると物事を悪い方に考える」ということでしょうか。昨日発表された2021年10-12月GDPは前期の「2.3%」を大きく上回り、市場予想をも超える「6.9%」でした。通常なら好材料としてドルが買われ、株式も買われる展開が予想されますが、この日のGDP上振れは「FRBが利上げを加速する」と捉えられ、ドルと債券は買われましたが、結局株は売られています。

FRBが3月会合からいよいよ政策変更に舵を切り直すことになりますが、これは厳密に言えば「金融引き締め」政策への転換ではなく、「金融緩和」政策の終焉を意味するものだと理解していますが、これまで長い間「ゴルディロックス相場」(適温相場)に浸ってきた市場、特に株式市場には大きな転換を迫っているものと思われます。FRBが今後粛々と利上げを行うことになりますが、利上げ回数については、市場は4回の利上げを織り込みつつありますが、パウエル議長も述べたように依然として不確実性が高いと見ています。今後インフレがどこまで進むのかが最大のカギですが、それは同時に原油価格がどこまで上昇するかにもよります。また、足元のオミクロン変異株の感染拡大がどこで終息するのかも、重要なファクターです。

115円台半ばまで上昇してきたドル円も、ここから116円台を回復できるかどうかが正念場になります。今回のドル高は米長期金利の上昇に素直に反応したものですが、これまで米金利が上昇してもドルが買われなかったことは何度もあります。現状では米長期金利がさらなる上昇を見せれば、ナスダックを中心に株価が下落し、再びリスク回避の円買いモードになる可能性もあります。株式市場が落ち着きを取り戻して、「金利上昇は景気が拡大している証拠」だということを織り込み始めることが必要かと思います。

本日のドル円は114円90銭~115円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)