中国共産党は今秋に「第20回党大会」を開催する。5年に1度の党大会は、10年に1度はトップが交代する重要な節目の大会となるはずだったが、今回は習近平氏が慣例を破って3期目の続投をすると見込まれている。例年、党大会に向けては現政権の経済運営の実績を示すためにも従来に増して高い経済成長を実現してきたが、今回は事情が違うようだ。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は1月21日、「中国:『ゼロコロナ』への固執がリスク要因に」と題したレポート(全10ページ)を発表し、現状を分析した。レポートの要旨は以下の通り。

◆5年に1度の党大会開催年は、1978年の改革・開放政策導入後の8回のうち6回で前年の成長率を上回った。特別なことがない限り、2022年は前年の成長率を上回る可能性が高い。今回の比較対象は、2020年の前年比2.2%、2021年の同8.1%の平均の5.1%である。大和総研は過去2年分のリベンジ消費を牽引役に、2022年の実質GDP成長率を同5.4%と予想している。

◆こうしたシナリオが画餅に帰す可能性を高めるのが不動産市場の低迷と「ゼロコロナ」政策の行方である。特に、懸念されるのが、ゼロコロナへの固執ではないだろうか。かつて2003年の新型肺炎(SARS)を「終息」させた成功体験を持つ中国が、党大会で共産党統治の優位性の証左としてゼロコロナをアピールしたい気持ちは分からなくはない。しかし、外部との接触を完全に断つのは不可能であり、いずれ「ウィズコロナ」への道を模索する必要性が高まろう。中国政府によると、2022年1月14日時点でワクチンの2回接種が終了したのは、人口の86.6%に達し、3回目の接種も始まっている。北京冬季五輪を終え、3月の全人代が終了した後に警戒ムードは緩むのだろうか。それとも10月か11月と予想される党大会まで厳戒態勢は続くのだろうか。ゼロコロナへの固執如何によって、景気下振れ懸念が高まることに留意したい。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)