ドル円は緩やかに下落し、113円96銭まで売られる。米長期金利の低下と、株安が重石となり円を買う動きが優勢に。ユーロドルは前日と同じように1.13台前半から半ばで推移。株式市場は大幅続落。朝方は大きく買われ、ダウは400ドル程上昇する場面があったが、引けは313ドル安。ナスダックも同様に2%を超える上昇から186ポイント安で取引を終える。債券は続伸。長期金利は1.80%台へ急低下。金と原油は揃って小幅に反落。

新規失業保険申請件数         →  28.6万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数   →  23.2
12月中古住宅販売件数        →  618万戸

ドル/円     113.96 ~ 114.26
ユーロ/ドル   1.1303 ~ 1.1358
ユーロ/円    129.05 ~ 129.63
NYダウ   -313.26 → 34,715.39
GOLD     -0.60 →  1,842.60ドル
WTI     -0.06  →  86.90ドル
米10年国債  -0.061 → 1.804%

【本日の注目イベント】

日  12月消費者物価指数
欧  ユーロ圏1月消費者信頼感指数(速報値)
欧  米ロ外相会談(ジュネーブ)
英  12月小売売上高
米  12月景気先行指標総合指数
米  日米首脳会談(オンライン)
加  11月小売売上高

日米ともに株式市場では乱高下が続き、ドル円もその動きに沿って上下する状況が続いています。軟調な展開が続く米株式市場では朝方、久しぶりに大きく上昇して取引が始まりましたが、その後ジリジリと値を下げ、結局引け値でダウは313ドル安と、3万5000ドルの大台を大きく割り込んでいます。今月4日に記録した最高値からは2084ドル、率にして7.6%以上下落したことになります。昨日の日経平均株価も同じように値幅を伴い乱高下しています。FRBによる早期の利上げ観測が高まり、米長期金利は前日1.9%台まで急騰しました。

ドル円は米金利上昇という「ドル高要因」と、株安やオミクロンの感染拡大という「円買い要因」が引っ張り合う格好になっています。114-115円台でもみ合っているのは、そういった状況からこの先どちらに振れるのか考えあぐねていることを反映している結果と見られます。来週のFOMCで、足元の高インフレを意識するあまり、予想以上にタカ派的な姿勢を示すようだと、株価がさらに下げ、ひいては米景気を冷やすことにもつながりかねません。一方で、前日のバイデン大統領の記者会見にあったように、パウエル議長の手腕に対する期待も大きく、それに答える必要もあります。仮に市場の一部で予想されている「0.25%ではなく、0.5%の利上げ」を断行した場合市場はどのように反応するのか、現時点での予想も難しい状況です。恐らく株価は下落し、長期金利は上昇しドル円は多少買われる可能性があるのではないかと予想しますが、目先の材料出尽くしから、株式、債券とも反発する可能性がないとは言えません。

株価の大幅な下げに、リスク回避の円買いが強まることも予想される中、ウクライナ情勢に緊張が高まってきました。バイデン大統領は19日のホワイトハウスでの会見で、「私の推測では彼は侵攻するだろう」と述べ、ロシアがウクライナへの軍事侵攻に踏み切るとの考えを示しました。ブリンケン国務長官も、「われわれは重大な岐路に立っている。いかなるものであれロシア軍がウクライナ国境を越え、ウクライナに対して新たな攻撃行為を取る場合には、米軍と同盟国は速やかかつ厳しい、団結した対応を打ち出す。われわれの姿勢は一貫して極めて明確だ」と、改めてロシアに警告しています。(ブルームバーグ)また大統領はロシアが侵攻した場合の制裁措置として、ロシアの金融機関がドルの取引を行えなくなる措置を検討しているとも述べ、本日スイスのジュネーブで開催されるブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相との会談が非常に注目されます。

ECBの議事録が公開され、12月15-16日の会合では目先のインフレの加速は「主に一時的要因に起因し、これは2022年中に和らぐとの見方で一致したものの、一部のメンバーは『高インフレが長期化するシナリオも排除できない』と警鐘を鳴らしていた」ことが明らかになりました。また、金融緩和と資産購入の尚早な縮小への懸念も表明されていました。ラガルドECB総裁は20日仏紙とのインタビューではこれまでの主張を繰り返し、「1年前に想定していたほどではないが、インフレ率は低下するだろう」と語っています。また、米国とユーロ圏を比較して「米連邦準備制度について想定し得るほど迅速かつ急激な対応をECBが行わない理由はある」として、「(米国の)インフレははるかに激しい」と指摘しています。その上で、「もちろん、数字とデータ、事実がその必要性を示せば金融政策で対応する用意がある」と付け加えています。ECBの政策メンバーの多くは、インフレの高進は今後鈍化するとの姿勢を崩さず、この点がFRBとの違いと見られ、今年夏ごろと見られていた利上げ観測は後退しています。

ドル円は株価の下落傾向がより重荷になりつつあるように思えます。仮にドルがもう一段下げた場合、先週末に付けた113円台半ばがサポートとして機能するかどうかがポイントです。

本日のドル円は113円50銭~114円40銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)