ドル円は114円台前半から半ばでもみ合い。114円53銭まで買われたものの、米長期金利が低下したことで小幅に下落。ユーロドルも小動き。1.13台半ばで一進一退。株式市場は続落。ダウは引けにかけて下げ幅を拡大し339ドル安。ナスダックは高値から10%を超える下落となり調整入りとの声も。債券は小幅に反発。長期金利は1.86%台で推移。金は大幅に上昇。原油は3日続伸し87ドル台を示現。

12月住宅着工件数     →  170.2万件

12月建設許可件数     →  187.3万件

ドル/円  114.21 ~ 114.53

ユーロ/ドル 1.1334 ~ 1.1357

ユーロ/円  129.59 ~ 129.92

NYダウ  -339.82 → 35,028.65

GOLD    +30.80 →  1,843.20ドル

WTI   +1.53  →  86.95ドル
 
米10年国債   -0.009 → 1.865%


本日の注目イベント

豪   12月雇用統計
日   12月貿易収支
独   12月生産者物価指数
トルコ 中銀政策金利発表
欧   ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
欧   ECB議事要旨(12月会合)
米   新規失業保険申請件数
米   1月フィラデルフィア連銀景況指数
米   12月中古住宅販売件数
米   企業決算 → ネットフリックス

 インフレへの警戒感が世界的に高まり、株式市場から大量の資金が流れ出しているようです。昨年後半から上昇傾向が続いていた米株式市場でもダウが昨日も下げ、4日続落。3万5000ドル割れの水準まで売られています。ハイテク株の多いナスダックも高値から10%以上下げ、これで「調整局面入り」したと見られています。日経平均株価も、昨日は想定以上の下げを見せ、午後には一時1000円に迫る下落となり、引け値では760円安と、昨年の最安値に接近しています。

 米長期金利の上昇に支えられているドル円も、さすがに「リスクオフの円買い」の圧力に押され、昨日は114円20銭近辺まで売られる場面もありましたが、一気に円高に振れる流れは回避できています。株と債券市場から流出した資金の一部は金(きん)と原油に向っています。昨日のNYではドルが売られたこともあり、金は大きく上昇しました。WTI原油価格は続伸し、一時は88ドルに迫る水準まで上昇しました。2014年10月以来、実に7年3カ月ぶりの高値ということになります。IEA(国際エネルギー機関)は昨日、「オミクロン変異株による需要への影響が驚くほど少ないため、世界の石油市場は以前の想定より逼迫している」との見方を発表し、2022年の世界の石油需要を上方修正しています。多くの石油アナリストも、「100ドルに達するのはそう先の話ではない」との見方に傾いています。恐らく投機筋も先回りをしてロングポジションを積み上げていることと思います。ほぼ全ての石油を輸入に頼っている日本では、原油価格の上昇はドル需要が増えることを意味し、円安要因であることも認識しておく必要があります。

 バイデン大統領は19日、就任1年を翌日に控えてホワイトハウスで記者会見を行いました。過去数十年ぶりのペースで上昇しているインフレに関して、「物価高が定着しないよう確実にする重要な責務は連邦準備制度に託されている」とし、「米経済の力強さや最近の物価上昇ペースを踏まえれば、パウエル議長が指摘するように、金融当局がインフレ抑制のため現在の必要に応じて支援を『再調整』することが適切だ」と語っています。また大統領は、「連邦準備制度の独立性を私は支持する」とも述べています。バイデン大統領はパウエル氏のFRB議長再任を任命したことからも、インフレ率の急騰を止めるパウエル氏に手腕に期待しているとみられますが、一方パウエル議長にとってはこの発言はプレッシャーとなり、7%という高いインフレ率を低下させるため、早期の利上げに踏み切らざるを得ないことにもなります。3月の会合で利上げ開始を宣言する可能性がさらに高まったと言えます。イエレン財務長官も19日全米市長会議で講演を行い、「確かにオミクロンは試練であり、今後数カ月のデータに一定の影響を及ぼす可能性が高い」としながらも、「しかし、この1世紀でも傑出して力強い景気拡大局面が、これで脱線することはないと確信する」と語り、オミクロンの感染拡大が足元で続く景気回復を妨げることはないとの見方を示しています。

 上でも述べたように、ドル円はFRBが利上げを急ぐとの見方から長期金利が上昇していることに支えられています。今後株式市場の調整が想定以上に長引くようだと、リスク回避の流れが続き、円に見直し買いが入る可能性もないとは言い切れません。また地政学リスクも高まっています。ウクライナ国境ではロシア軍の攻撃がいつあってもおかしくはない状況だと報告され、これまで以上に緊張が高まっています。また今年に入ってすでに4回のミサイル発射を行った北朝鮮情勢も気になるところです。仮に有事が勃発すれば、円やスイスフランが買われてきたこれまでの歴史もあります。世界情勢にも目配せが必要かと思います。

 本日のドル円は113円90銭~114円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)