大和アセットマネジメントが2021年10月1日に設定し、運用開始した「GXJメガトレンド・ジャパン」は、国内唯一のETF専門会社であるGlobal X Japanが設定・運用するテーマ型の日本株ETF(上場投資信託)を複数組み入れることで、長期的な構造変化である「メガトレンド」といえる大きな成長機会を投資収益にしていくファンドだ。同ファンドの仕組みと今後の展望について、大和アセットマネジメントのベータ・ソリューション運用部シニア・ファンドマネージャーの飯田尚宏氏(写真:右)とGlobal X Japanの取締役営業部長の深野正二朗氏(写真:左)に聞いた。

◆米国に匹敵する日本のデジタル化関連テーマの成長力

 「GXJメガトレンド・ジャパン」は設定来、Global X Japanの日本株の成長テーマ型ETFのうち、「デジタル・イノベーション」「eコマース」「クリーンテックESG」「バイオ&メドテック」「ゲーム&アニメ」「ロボティクス&AI」「レジャー&エンターテインメント」「半導体関連」の8つを組み入れて運用している。この組入ETFの選定や各ETFの組み入れ比率については、毎月、大和アセットとGlobal X Japanが合同で行う「メガトレンド検討会」で方針を決定している。

 飯田氏は、「近年のメガトレンドといえる経済のデジタル化をけん引してきた米国のGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は、過去5年間で株価が約4.4倍に上昇しました。S&P500が同期間に2.2倍程度の上昇でしたので、その2倍のパフォーマンスです。メガトレンドを捉えた投資テーマがいかに大きな投資機会であるかがわかります」と、このファンドを企画した意図を説明する。

 そして、深野氏は「日本株には魅力がないと感じておられる方が少なくないのですが、例えば当ファンドで組み入れている成長テーマ型ETFの組入れトップ銘柄である半導体関連のレーザーテック、デジタル・イノベーションやゲーム&アニメ、レジャー&エンターテインメントのソニー、eコマースのZホールディングスなどの過去1年間の株価の推移をGAFAMと比較するとそん色のないどころか、より高いパフォーマンスも残しているものもあります。また、「GXJメガトレンド・ジャパン」の主な組み入れETFの対象株価指数の過去3年のパフォーマンスは、半導体関連など日経平均株価を大きくアウトパフォームしています。日本においても長期的な構造変化である「メガトレンド」を捉えることで、高いパフォーマンスが期待できます」と語る。

 同ファンドのパフォーマンスは、折に触れ日経平均株価などをアウトパフォームする場面があり、今後に期待を感じさせる。

◆GXJのテーマ型ETFを大和アセットがアロケーション

 Global Xは、2008年に米国で創業されたETF専業の運用会社で、「破壊的創造テクノロジー」「人口動態」「気候変動」「インフラ」などをキーワードに長期的な構造変化を捉える成長テーマ型ETFで急成長を遂げたテーマ型ETFの先駆者だ。たとえば、同社の旗艦ファンドといえる「リチウム&バッテリーテックETF」は2010年7月に設定。21年7月末現在で過去3年のトータルリターン(米ドルベース)はプラス167%で、世界株式のプラス49%を大きく上回っている。Global X Japanは、Global Xと大和証券グループ本社と大和アセットが出資する合弁会社として2019年9月に設立。2021年に13本の国内ETFを東証に上場させ、21年12月20日現在運用資産残高は約510億円になった。

 「GXJメガトレンド・ジャパン」に組み入れる個々のETFが市場平均を上回るパフォーマンスとなり、それらを束ねるファンドも、大和アセット独自のアロケーションモデルを活用することによって、より効率的な収益の獲得をめざす。Global X Japanの成長テーマ型ETFを使って大和アセットのアロケーションモデルでリバランスしながら運用したシミュレーションによると、2016年7月を100とすると、21年7月時点でシミュレーション結果は225でTOPIX(配当込み)の160を大幅に上回った。また、超過収益としてもETFのテーマ効果に加え、アロケーション・リバランス効果も収益の押し上げに寄与していることが確認できた。

◆出遅れ挽回が期待される日本株は長期のコア資産

 飯田氏は、ファンドの組入対象のETF8本と、大和アセットのアロケーションモデルを使ったポートフォリオを過去に遡ってシミュレーションした結果、2016年12月末から21年6月末まで6カ月ごとの騰落率を検証すると9半期のうち、シミュレーションの結果がTOPIX(配当込み)に負けたのは2回のみだったとし、「16年末から4年半の全期間を通じてTOPIXがプラス41.9%に対し、8つのETFは『半導体関連』のプラス149.4%を筆頭に全てTOPIXを上回るパフォーマンスとなりました。シミュレーションの結果はプラス118.6%とTOPIXを大幅に上回っています」という。

 大和アセットのアロケーションモデルは、中長期的な成長性を見極める「長期戦略的配分」と、短期的なモメンタムで比率を調整する「短期戦略的配分」を組み合わせて最終的な組入比率を決定する。2016年以来のシミュレーションによる組み入れ比率の推移は、「デジタル・イノベーション」と「eコマース」は合わせて40%程度で比較的安定的に組み入れているが、16年当時は組入比率が5%に満たなかった「半導体関連」が19年後半から徐々に組入比率を高めて15%を超えるほどに存在感を増してきていることが分かる。11月末現在のETFの組入比率は「eコマース」が23.4%、「半導体関連」が16.1%、「デジタル・イノベーション」が11.7%で、過去1カ月間のリターンでは「半導体関連」がプラス7.3%で収益をけん引した。

 深野氏は、「世界デジタル競争力ランキングで21年は世界の28位と日本の順位としては過去最低に沈んでいる。トップの米国など先進国の中で出遅れが顕著。ただ、出遅れているからこそ、むしろ、発展途上で成長の余地が大きいと考えている」という。「コロナ禍におけるテレワークの普及など日本企業にも変革の機運をもたらしつつあり、デジタル・イノベーションの流れが本格化し、今後の成長に強く期待できる」としている。

 また、今後の日本株式市場については、ワクチン接種や治療薬開発の進展から経済の正常化が進み、米国の金融緩和縮小を受けて円安ドル高が進行し、日本国内では商品やサービスの値上げが広がると予想している。これは、日本企業の業績拡大に寄与し、21年度から23年度に過去最高益を更新すると期待されるとの見通しだ。「予想PERの観点では、米国株に比べて日本株の割安感は顕著で、今後、日本の経済正常化進展、円安、値上げなどを背景に、日本株の割安感は解消に向かうと期待されます」と見通している。

 そして、「過去数年にわたる米国株の上昇によって、米国株式ファンドなどへの投資比率が高まった投資家の方も少なくないと思います。しかし、公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用ポートフォリオは25%を日本株式に配分し、日本株も主要な投資対象にしています。日本の長期的な構造変化を捉えた成長テーマ型ETFは魅力的です。ぜひ、当ファンドをきっかけに、日本株式にも分散投資することをご検討ください」と語った。(情報提供:モーニングスター社)