東京市場で113円67銭前後まで売られたドル円は、NYでは経済指標が予想を下回ったことなどから113円48銭まで売られる。ただその後は長期金利の上昇もあり、ドルが買い戻され114円台を回復。ユーロドルは朝方には1.14台半ばで推移していたが、ドルが買い戻されたことで、1.13台に下落。ハイテク銘柄の多いナスダックとS&P500は反発。一方ダウは200ドルを超える下落。JPモルガンなど金融株の下落が重荷に。債券は下落。長期金利は1.78%台まで上昇。金は続落し、原油は上昇。

米  12月小売売上高             → -1.9%
米  12月輸入物価指数            → -0.2%
米  12月鉱工業生産             → -0.1%
米  12月設備稼働率             → 76.5%
米  12月企業在庫              → 1.3%
米  1月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 68.8

ドル/円      113.48 ~ 114.27
ユーロ/ドル    1.1399 ~ 1.1455
ユーロ/円     129.78 ~ 130.34
NYダウ    -201.82 → 35,911.81
GOLD      -4.90 →  1,816.50ドル
WTI       +1.70 →  83.82ドル
 米10年国債  +0.041 → 1.784%

【本日の注目イベント】

中   10-12月GDP
中   中国12月小売売上高
中   中国12月鉱工業生産
米   NY休場(キング牧師生誕記念日)

日米の株価の下落が円相場には重荷になっています。先週末の東京市場では、日経平均株価が一時550円ほど下げたことに伴い、ドル円もジリジリと下げ、113円67銭近辺まで売られる場面もありました。この流れはNYでも見られ、NY市場の朝方には113円48銭までドル安が進みました。FRBがインフレ阻止に向け、いよいよ本格的な利上げモードに突入することが見込まれ、ドル高が予想される状況の中でも116円台を頂点にドル安が進んできました。米国の株価が、特にナスダックを中心に売られていることで「リスク回避」の円買いが進んでいるのが足元の動きです。円との相関が強い米長期金利の方も、1.8%台まで上昇した後は軟調な動きになっています。株式を売った資金が一部債券に流れているということのようです。

ドル円はその後のNYで114円台を回復していますが、米株式市場が調整を終えて再び上昇トレンドを形成できるかどうかが、ドル円の先行きにとっても極めて重要なファクターになっています。今朝NYから届いた株式市場の見通しでは、「米5大ハイテク株の下落はまだ続く可能性が高い」といったコメントがあります。これらハイテク株は昨年後半から大きく上昇し、PER(株価収益率)は時価総額加重平均でピーク時の28.1倍から20.7%低下しているとのことです。言い換えれば、株価が大きく上昇したことで、1株あたりの稼ぐ力が低下したということになり、この傾向はまだ続くとの見通しです。米長期金利が今後上昇することは間違いないところですが,金利以外の要因が台頭しており、足元では株価の下落が最も影響していると見られます。FRBの政策スタンスについては、今年3月の会合で利上げを決め、その回数も3回から4回に増えるといった見方がコンセンサスになりつつあります。今後のインフレの加速次第であることは当然ですが、一部には「年内の利上げ回数は5回」と予想する向きも出てきました。

先週末に発表された経済指標は予想を大きく下回るものが多く、特に1月のミシガン大学消費者マインド速報値は「68.8」と、市場予想の「70.6」を大きく下回り、この10年間で2番目の低水準でした。インフレの急上昇や新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対する懸念が重しとなったことが指摘されています。また、12月の小売売上も市場予想を大きく下回っていました。こちらもオミクロン変異株の影響から店舗での買い物が減少し、さらにギフト配送の遅れへの懸念から多くの消費者が例年より買い物を前倒ししたことが影響したと見られています。

一方そのオミクロン変異株について、ホークルNY州知事は13日のバーチャル形式のブリーフィングで、オミクロン変異株の感染急増が「峠を越しつつある」と宣言しています。13日の新規感染者数は州全体で4万9027人と、1週間前の9万人から大きく減少したことを発表しました。また既にピークを超えた南アフリカの研究者らは、「オミクロン変異株はデルタ株に比べて、ワクチン未接種者や感染歴がない人が感染した場合の症状が軽い」との調査結果を発表しています。この調査は感染最初の3波における1万1609人と、直近の感染拡大期に罹患した5144人を比較した結果だということです。日本でもついにと言うか、感染者数が急激に増加し、東京都では3日連続で4000人を超え、今月末には1万人を超えると見られています。東京都が「まん延防止等重点措置」を発出するようだと、日本株が再び売られ円が買われる流れが起きる可能性も想定されます。

本日のドル円は113円80銭~114円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)