株価の大幅下落と長期金利の低下に反応し、ドル円は114円ちょうどまで下落。リスクオフの流れが継続する中、ドルの下値を探る展開が続く。ドルが売られたことでユーロは続伸。1.1482近辺までユーロの買戻しが進む。株式市場は3指数が揃って続落。特にナスダックではハイテク株の売りが加速し、前日比381ポイントの下落。債券は反発。長期金利は1.70%台へ低下。金は5日ぶりに反落。原油も下げる。

12月生産者物価指数    →  0.2%
新規失業保険申請件数    →  23万件

ドル/円     114.00 ~ 114.37
ユーロ/ドル   1.1447 ~ 1.1482
ユーロ/円    130.62 ~ 131.18
NYダウ   -176.70 →  36,113.62
GOLD     -5.90 →  1,821.40ドル
WTI      -0.52 →  82.12ドル
米10年国債   -0.39 →  1.704%

【本日の注目イベント】

中   中国12月貿易統計
欧   ユーロ圏11月貿易収支
欧   ラガルド・ECB総裁講演
英   英11月鉱工業生産
英   英11月貿易収支
米   12月小売売上高
米   12月輸入物価指数
米   12月鉱工業生産
米   12月設備稼働率
米   12月企業在庫
米   1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米   ウィリアムズ・NY連銀総裁、ウェビナーで講演
米   企業決算 → ウェルズファーゴ、ブラックロック、JPモルガン、シティーグループ

今月25日から開催される今年最初のFOMCを控え、ブラックアウト期間の開始が迫っていることから、FOMCメンバーの講演もピークを迎えています。その多くのメンバーがこぞってタカ派的な発言を行ったことから、米株式市場の下落は止まらず、ドル円は長期金利の低下もあり、一時114円水準まで売られています。

最も影響があったのがブレイナード理事の発言だったと思われます。今回FRB副議長に指名されたことに伴う指名承認公聴会での質疑応答で、ブレイナード氏は「FOMCは向こう1年間に数回の利上げを予想している」と述べ、「資産購入が終了し次第、われわれはそれを行える立場にある。今後1年間、データから何が求められているのかを見ていく必要がある」と語り、数十年ぶりの高水準にある物価上昇圧力を確実に抑えるため、3月にも利上げに踏み切る可能性があるとの見解を示しました。ブレイナード氏の発言は、氏がもともと「ハト派」と見られていた上に、今回副議長に就任することもあり、ナスダックなど株式市場が反応したものと見られます。ブレイナード氏はまた、「われわれには強力な手段があり、今後インフレ率を押し下げるためそれを活用していく。全国の労働者世帯からインフレに関する声が上がっていることを、しっかり認識している」と述べ、インフレに対する強い姿勢を示しました。

またフィラデルフィア連銀のハーカー総裁も3月の利上げ開始に加え、年内に3回か4回の利上げを実施することが好ましいとの考えを示し、「インフレが望ましい水準より高く、雇用市場が非常に堅調だという現実から導かれる避けようのない論理的結論は、金融引き締めだ」と語っています。さらに同総裁は質問に対して、「データに何ら変化がなければ、3月に0.25ポイントの利上げが実施されるというのが私の予想だ」と述べ、その上で、「私は今年に関して3回の0.25ポイント利上げを予想している。インフレが制御されない場合は、4回目の必要性を確信するだろう。ただし、データを見極めなくてはならない」と語り、かなり「タカ派的」な発言に終始していました。(ブルームバーグ)

この他シカゴ連銀のエバンス総裁も、「FOMCの予測中央値では今年3回の利上げが見込まれていたが、インフレに関するデータが十分速やかに改善しない場合には4回利上げする可能性がある」と述べています。このように、FOMCメンバー幾人かが3月利上げ開始を予想し、さらに今年の利上げ回数も3回から4回に移行しつつある発言を行っています。これだけ「タカ派的」な発言が揃えば、金利上昇に弱いナスダック指数が大きく下げるのもうなずけるというものです。3回利上げは既に既定路線化しており、4回が視野に入ってきた印象ですが、筆者は今年の利上げは3回と予想しています。12月のCPIやPPIが発表された直後でもあり、直近のインフレ圧力にややバイアスがかかっているようにも思えます。株価の調整や、オミクロン株の感染状況次第では、米経済がFOMCメンバーが予想する程の成長を見せない可能性もあります。

ドル円は114円ちょうどで踏みとどまった感じでしたが、1.8%まで上昇した米長期金利が1.7%台まで低下してき、さらにナスダックを中心に株価の調整も続き、「リスク回避」の流れが優勢になっている状況下です。ドルの上値が徐々に重くなってきましたが、昨日も述べたように、中期的なチャートが示す方向性は変わっていません。注目しているのは113円台前半にある「雲の下限」です。ここを割り込むようだと、相場観も変えざる得えない可能性があります。

本日のドル円は113円70銭~114円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)