乳製品や調味料などの生産や食品卸、外食事業などを展開するJFLAホールディングス <3069> は今3月期に、連結営業損益6.7億円の黒字(前期は11.9億円の赤字)への転換を見込む。「食を通じた新たな価値の創造と提供」をテーマに、筋肉質な収益構造への転換によって、ウィズコロナの新常態における業績成長を目指す同社。新たな中期経営計画では、25年3月期の目標として売上高880億円、営業利益20億円を掲げた。その意気込みを檜垣周作社長に聞いた。

 ――今3月期も収益改善が進みそうだ。

 「事業別でみると、グループ全体売上の6割を占める生産事業は引き続き堅調に推移している。今後成長が見込まれるヨーグルトや、豆乳などのデイリーフリー製品の大型設備投資に伴う減価償却費が増加したため前期比で減益だが、キャッシュフローベースでは伸びている。また、流通事業や販売事業においても、海外部門を中心に不採算事業の撤退を含め抜本的なリストラを断行したことで、収益性が大幅に改善してきている」

 ――さまざまな食品の原材料やエネルギーの価格が高騰している。

 「大豆や小麦、物流費の上昇の影響を受けているが、調味料メーカーの盛田では、しょうゆなどの価格を22年3月出荷分から値上げする。一方で、豆乳の販売が伸びている九州乳業においては、大豆の調達が長期で手当てが出来ているので影響は限定的だ」

 ――乳業事業といえば、昨今話題の「生乳大量廃棄」については。

 「弘乳舎による『余剰乳』(*)の受託加工事業が好調に推移している。同社は西日本唯一の受託指定工場で、最大級の加工処理能力を保有している。社会的な課題である食品ロス削減にも寄与している。」

 ――配当の考え方は?また、優待をかなり厚くしている。

 「株主還元を経営の重要政策の1つとして認識しており、安定配当を行う基本方針を重視している。21年3月期は赤字でも配当をさせていただいた。今期も、赤字だった前期と同様に1株あたり4円の配当を予定している。」

 「優待に関しては、グループの取り組みを一層知っていただくことで、株式を中・長期的に保有してもらいたく思っている。当社グループの食事券や商品を含めて、たくさんの商品を取りそろえている。好評をいただいており大変うれしいことだ」

*季節要因による飲用乳需給の不均衡で生じる余剰な生乳

【株価見通し】

 不採算事業の縮小やコスト削減など、収益性改善へ向けた成果が現れたことで、コロナ禍からの業績回復が進んでいる。新中計によって、生産・流通・販売の食の3軸による中・長期的な成長イメージが示されたことも評価ポイントだ。一方で、同社は、成長投資や財務基盤強化のため、10月に行使価額修正条項付新株予約権を発行している。新株予約権個数8万3000個(潜在株式数830万株)の権利行使が12月末時点で約40%であるため、短期的には残りの権利行使による需給悪化警戒感から株価が不安定になりやすい可能性もあることに注意したい。(情報提供:モーニングスター社)(イメージ写真提供:123RF)