市場ではリスクオンが続き、ドル円は緩やかに続伸。114円47銭までドルが買われ、約1カ月ぶりのドル高水準を示現。ユーロドルは前日と同じような展開。株式市場は3日続伸。オミクロン株の経口薬が承認されるなど、景気に対する楽観論が優勢となりS&P500は最高値を更新。債券は反落。長期金利は1.5%に迫る水準まで上昇。金と原油は続伸。原油は3日連続で大幅に上昇し、73ドル台後半まで買われる。オミクロン株の景気に対する懸念もやや後退。

新規失業保険申請件数            →  20.5万件
11月個人所得               →  0.4%
11月個人支出               →  0.6%
11月PCEコアデフレータ         →  4.7%
11月耐久財受注              →  2.5%
12月ミシガン大学消費者マインド(確定値) →  70.6
11月新築住宅販売件数           →  74.4万戸

ドル/円      114.25 ~ 114.47
ユーロ/ドル    1.1291 ~ 1.1338
ユーロ/円     129.05 ~ 129.73
NYダウ    +196.67 → 35,950.56
GOLD      +9.50 → 1,811.70ドル
WTI       +1.03 → 73.79ドル
米10年国債   +0.041 → 1.493%

【本日の注目イベント】

日   11月消費者物価指数
欧   主要欧州市場休場
米   NY市場休場


 ドル円は緩やかですが上昇傾向を続け、昨日のNYでは114円47銭まで買われています。114円台半ばが多少意識されたのか、半ば超えはできませんでしたが、参加者が徐々に減る中、市場全体の「リスクオン」は続いています。

 その象徴がNY株式市場の動きで、昨日も主要3指数が揃って買われ、引けにかけては上げ幅を縮小したものの、S&P500は今月12日以来となる最高値更新でした。米国を含めてオミクロン株感染拡大が世界中で広がっています。昨日の米国の新規感染者数は27万3000人と、勢いを増しています。欧州でもイギリスを初め、フランス、イタリアで過去最多の感染者数を記録している状況ですが、昨日もこの欄で触れたように、感染力は強いものの、重症化リスクは低いとのデータが集まってきており、オミクロン株に対する特性もこの辺りで落ち着きそうな気配です。少なくとも、南アフリカ共和国で最初にオミクロン株が確認された頃の恐怖感は後退していると考えられます。英保険安全保障庁(UKHSA)は23日、オミクロン株感染者が入院に至る確率はデルタ株に比べ50-70%低く、救急治療が必要になる確率も31-45%下回ると発表しました。一方でブースター(追加免疫)接種はオミクロン株に対しても防御効果を高めるものの、効果が薄れ始めるペースがデルタ株と比べ速く、接種から10週間で効果は15-25%低減するとの結果も発表しています。(ブルームバーグ)米食品医薬品局(FDA)は、前日ファイザー製の経口薬「パクスロビド」に緊急使用許可を与えましたが、昨日はメルク製の「モルヌピラビル」についても緊急使用許可を与えています。このような状況下、現時点での各国の対応は感染拡大にもかかわらずロックダウンなどの厳しい行動制限には踏み切っていません。景気に配慮していることもありますが、デルタ株の様な、爆発的な感染拡大には至らないという観測もあるようです。

 11月のPCEデフレーターは前年比で「5.7%」上昇しており、1982年以来39年ぶりの高い伸びを示しました。コア・デフレーターでも、同「4.7%」と、こちらは1983年以来の高水準でした。この影響もあり、11月個人消費支出は前月とほぼ変わらず横ばいです。PCEデフレーターは、CPIよりも、よりFRBが注視している指標で、先週行われたFOMCでテーパリングの加速を決定し、早ければ来年2月にもテーパリングを終了させ、来年には3回の利上げを見込む、FOMCメンバーの「ドットプロット」にも整合するものと考えられます。サマーズ元財務長官は「インフレ動向はかなり深刻となっている」とし、「今後リセッション(景気後退)に陥った後にスタグネーション(停滞)に見舞われるリスクがあり、これから何年間かは困難な局面が懸念される」と警告しています。

 ドル円は緩やかですが、下値を切り上げています。クロス円でも豪ドル円が約1カ月ぶりに83円に迫るなど、円売りが進んでいます。クロス円の上昇がドル円でも円売りにつながっているとも言えます。ちょうど1カ月前にドル円は115円52銭の高値を付け、その後112円台半ばまで押されましたが、その後今回の反発です。テクニカルでも、ドル円は「月足」の雲を抜けており、「日足」も右肩上がりの雲の動きに沿って上昇している印象です。

 今夜からいよいよクリスマス休暇に伴う流動性の低下が見込まれることから、注意したいのはドルの下方リスクです。「閑散に売りなし」と言われますが、システム売買が盛んなことを考えると、想定以上の値幅が出る可能性もあります。

 本日のドル円は114円10銭~114円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)