ドル円は小幅に続伸。主要通貨に対してドルが売られる中、前日と同様にリスクオンがやや強まりドル円は114円37銭まで買われる。ユーロドルは続伸。一時は1.1342まで上昇。オーストリア中銀のホルツマン総裁が2022年にも利上げの可能性を示唆したことなどが背景。株式市場は続伸。オミクロン株の感染拡大も景気への影響は限定的との観測が広がり、ダウは261ドル高。債券は小幅に反発。長期金利は1.45%台へと小幅に低下。金と原油は揃って上昇。

7-9月GDP(確定値)      →  2.3%

11月中古住宅販売件数       →  646万戸

12月消費者信頼感指数       →  115.8

ドル/円  114.07 ~ 114.37

ユーロ/ドル 1.12898 ~ 1.1342

ユーロ/円  129.19 ~ 129.50

NYダウ  +261.19 → 35,753.89

GOLD   +13.50 →  1,802.20ドル

WTI   +1.64  →  72.76ドル
 
米10年国債  -0.010 → 1.451%


本日の注目イベント

日   10月景気先行指数(CI)(改定値)
日   黒田日銀総裁講演
トルコ 11月消費者物価指数
米   新規失業保険申請件数
米   11月個人所得
米   11月個人支出
米   11月PCEコアデフレータ
米   11月耐久財受注
米   12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米   11月新築住宅販売件数
米   債券市場短縮取引

 米国ではオミクロン株の感染拡大が続いていますが、それでも経済への影響は限定的との観測が広がり、NY株式市場では前日ほどではないものの、主要3指数が揃って大幅高で取引を終えました。ドル円はリスクオンが継続したことで、114円37銭まで円売りが進み、先週記録した114円28銭を若干上回りましたが、依然として114円台半ばが意識され、ドルが大きく上昇する状況ではないようです。もっとも、昨日の為替市場では、ユーロやポンドなど、主要通貨がドルに対して上昇し、ドル安が進んだ中での円安でした。ドルと円が売られたことで、ユーロ円などのクロス円は軒並み上昇して、主要通貨の中では円が「最弱通貨」の様相を呈しています。

 ECBの政策メンバーである、オーストリア中銀のホルツマン総裁は会見で、「インフレ率が予想に沿って低下しなければ当局者にとって『警鐘』がなるだろう」と述べ、「従来の資産購入プログラムであるAPPを終了すれば、その後の利上げがあるという『非常に強いシグナル』を市場に送ることになる」と語り、極端なケースなら2022年にも利上げがある可能性を示唆しました。この発言をきっかけにユーロは対ドルで1.1342前後まで買われています。

 12月の消費者マインドは市場予想の「111.9」を上回り、「115.8」と大きく好転しました。11月分も上方修正され、新型コロナウイルスのオミクロン株や物価上昇への懸念が強まる中でも、雇用と経済に対する見通しは悪くはないといった結果でした。一方で「現況指数」は若干低下し、「仕事が豊富にある」とした回答比率も「55.1%」と小幅に低下していました。コンファレンスボードの景気指数担当のシニア・ディレクターは発表文で、「2022年に目を向けると、物価上昇および冬季に予想される感染急拡大により、信頼感と個人消費は引き続き逆風に直面するだろう」と説明しています。(ブルームバーグ)本指標の上振れも、NY株式市場のセンチメントに好影響を与えた部分もあったようです。

 日本でも昨日は大阪で3人の「市中感染」が確認されたオミクロン株ですが、世界中で急拡大しています。まだ断定はできないものの、オミクロン株に関するある程度「特性」も徐々に分かってきたようです。まず感染力ですが、デルタ株に比べ数倍強いようです。医師で、国際航空旅運協会(IATA)のデービッド・パウエル最高医療顧問は、「航空機利用中に新型コロナウイルスに感染する確率は、オミクロン株の出現で2倍または3倍まで高まった」と指摘し、「人が密集するエコノミークラスよりもビジネスクラスの方が安全かもしれない」との見解を示しています。一方で、重症化へのリスクについては、これまでイギリス等で確認されている症状から判断すれば、デルタ株に比べ低いとされているようですが、WHOは軽視すべきではないと、警告している状況です。また、これらを証明するような研究結果も二つ報告されています。

 南アフリカの国立伝染病研究所(NICD)はリポートで、現在の新型コロナウイルス感染の第4波で、「オミクロン株の感染者はその他の変異株などに感染した人と比べ、入院に至る割合が80%低い」ことを明らかにしています。ただ、「入院に至れば、重症化のリスクは他の変異株と変わらない」とリポートは指摘しています。オミクロン株に関するデータは、11月末までの2カ月に収集されたものです。(ブルームバーグ)さらにスコットランドの研究者らは、オミクロン株の感染力は従来の変異株に比べて強いものの、「入院に至るリスクは7割近く低いと考えられる」との見解を示しています。また昨日も触れましたが、ファイザー製のコロナ感染症経口薬について、米食品医薬品局(FDA)は緊急使用許可を出しています。FDAの資料では、使用許可の対象は年齢が12歳以上、体重40キロ以上の患者としています。検査で陽性となり、入院もしくは死亡を含む重症化リスクが高い場合に投与されるといった条件が付与されています。ファイザーも、米国内向けに直ちに供給を開始する準備が整っていることを発表しています。

オミクロン株との闘いはこれからが本番なのかもしれませんが、一方で研究データやワクチン開発は急ピッチで進められているようです。株価の上昇もその辺りを睨んでの動きのようです。

 ドル円は昨日の東京時間に114円台を割りこむ場面もありましたが、直ぐに114円台に押し戻されるなど、前回よりは底堅い動きにはなっていますが、まだ114円台を固めるには至っていないとみています。本日のドル円は113円80銭~114円50銭程度を予想しますが、本日はNY債券市場が短縮取引になるなど、今晩辺りからいよいよ市場の流動性の低下が本格化しますので注意してください。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)