中国の経済政策は、中央政府の強力な指導力によって安定的に進捗することが期待されるものの、米国との経済摩擦やコロナ禍など、外部要因によって揺さぶられることがある。「共同富裕」を掲げる習近平体制の下で2022年の中国経済はどうなるのだろう? 大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は12月14日、「中国:三重苦の中、22年は何より安定重視」と題したレポート(全4ページ)を発表した。レポートの要旨は以下の通り。

◆2021年12月8日~10日に、2022年の経済政策運営の重点を決定する中央経済工作会議が北京で開催された。会議は、中国経済の現状を「需要収縮、供給制約、(成長)期待低下」の三重の圧力にさらされていると認識し、2022年はマクロ経済の安定を何よりも重視するとした。

◆2022年下半期(恐らく10月か11月)に、5年に1度の党大会の開催が予定されている。2023年3月の国家機構の人事と併せて、昇進の大チャンスが訪れることから、政績(政治的成績)引き上げのため、党・国家機構の幹部には担当地域や部門のパフォーマンスを良くしようとの意向が働きやすくなる。これが、党大会開催年の実質GDP成長率は前年を上回ることが多いことの背景となっている。

◆2020年と2021年はコロナ禍による景気落ち込みとその後の急回復を反映して、成長率は上下に大きくぶれる。この影響を排除するために、2020年と2021年は2年平均で見るべきなのであろう。大和総研は、2年平均は5.1%程度(2020年の実績は前年比2.3%、2021年の予想は同8.0%)と想定している。ある政府系シンクタンクは2022年の実質GDP成長率の政府目標を同5.0%以上(同シンクタンクの予想は同5.3%)とすることを提案している。2022年の成長率は、2020年と2021年の平均と比べてやや加速するとみているのであろう。(イメージ写真提供:123RF)