ドル円はFOMCを前にやや買いが優勢となり113円68銭まで買われたが、オミクロン株への警戒感が強まり113円37銭まで反落。ユーロドルはドル高の流れの中、1.1274まで下落。株式市場は英国で初のオミクロン株による死者の報告を嫌気し、3指数は揃って大幅安。ダウは航空株などを中心に320ドルの下落。債券は3日続伸。長期金利は1.41%台へと低下。金は続伸し、原油は小幅に反落。

ドル/円  113.37 ~ 113.68
ユーロ/ドル 1.1274 ~ 1.1307
ユーロ/円  128.01 ~ 128.31
NYダウ  -320.04 → 35,650.95
GOLD   +3.50 →  1,788.30ドル

本日の注目イベント

豪   豪11月NAB企業景況感指数
日   10月鉱工業生産(確定値)
欧   ユーロ圏10月鉱工業生産
英   英ILO失業率(8-10月)
米   11月生産者物価指数

 引き続きオミクロン株を巡る情報に金融市場は動かされている状況です。昨日のNYでは、イギリスでオミクロン型の感染者が急増したことや、同変異種による初の死亡が確認されたことなどから株価が大きく下げ、安全資産の債券が買われ金利が低下しています。この状況では通常ドルが売られるパターンですが、本日から始まるFOMCでテーパリングの加速について議論され、FRBは利上げの時期を早めるとの観測が支えとなりドル円は比較的堅調に推移しています。

 オミクロン株を巡っては、ワクチンブースター(追加接種)が高い防御効果を発揮する可能性があるとイスラエルの研究チームが発表しています。一方、英オックスフォード大学の研究者が13日に発表した論文によると、ワクチンを2回接種した人の血液サンプルでオミクロン株を検査した調査では、中和抗体が大幅に低下していたことが判明しています。ファイザーのワクチンを2回接種した人の血液中に含まれるオミクロン株に対する中和抗体が、デルタ株に比べて約30分の1に低下した結果が得られたようです。

 このようにオミクロン株を巡っては、初期段階のデータが徐々に報告されてきましたが、まだその感染力や既存のワクチンの有効性などについては共有できる結論が出ていない状況です。そのような中、イギリスではオミクロン株による感染者数が急増しており、米国では新型コロナウイルス感染者が累計で5000万人を超え、死者も80万人に達しています。また、南アフリカでは新型コロナウイルス感染による入院者数が6198人で、そのうち6.8%が集中治療室(ICU)入りしています。デンマークでは今週、オミクロン株がデルタ株に代わって感染の主流となることや、1日の感染者数が1万人に達することが見込まれています。さらに中国本土でも初のオミクロン株感染が確認されています。(ブルームバーグ)

 OPECは13日公表した月報で、1-3月期の石油消費予想を大幅に引き上げ、日量110万バレルとしました。月報では、「新型コロナウイルス感染症とそれに関連した困難に対し、世界の備えは向上しており、新たに出現したオミクロン変異株による影響は軽度かつ短期的なものになると見込まれている」としています。この月報によるNY原油先物市場への影響はなかったものの、オミクロン株への警戒感から原油価格は小幅に下げています。

 本日からFOMCが開催され、日本時間16日の早朝にはその結果と、パウエル議長の会見が予定されています。今回のFOMCでは、テーパリングの加速について議論がなされることは必至で、焦点はその加速スピードと、テーパリング終了後の利上げのタイミングに集中しています。オミクロン株への懸念が徐々に広がるものの、インフレがFRBの目標値を大きく超えている状況が続いている以上、利上げの前倒しは避けられないと見られます。最もタカ派的な見通しでは、2022年3月にも第一回目の利上げが開始されるという予想がありますが、筆者はテーパリング終了後株式市場の動向や物価状況を見た上で、6月会合から利上げが開始されるのではないかと予想しています。

本日のドル円は113円20銭~113円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)