中国経済の低空飛行が続いている。特に、中国恒大の経営危機に象徴されるような不動産投資の低迷が大きく、10月の新規住宅着工面積は33.9%減、住宅販売金額は24.1%減となり、コロナショックの際の落ち込み度合いに迫るほど低迷している。11月19日に、大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏が「中国:カリスマ性乏しき指導者が注力したもの」と題したレポート(全10ページ)を発表し、11月11日に閉幕した中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)を総括するとともに、中国経済の現状を分析した。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)は、2021年11月11日、「党の100年奮闘の重大な成果と歴史的経験に関する決議」を採択して閉幕した。決議の約7割は習近平総書記の時代に関する記述であり、突出した扱いとなっている。この中で13項目の成果が列挙されたが、文字数が最も多かったのは、「党内の全面的な厳正な統治」についてであった。カリスマ性や実績に乏しかったからこそ、その統治のよすがとして、綱紀粛正を断行したのであろう。

◆電力不足問題は大きく改善した。これで問題は解決したと安堵してよいのだろうか。答えは「まだ否」である。発電用石炭在庫の積み増しは、石炭の増産と使用抑制によるものである。後者について、使用が一気に増えれば需給は再び逼迫することになる。さらに、今年の冬はラニーニャ現象による厳冬の可能性が予想されていることもある。総じていえば、最悪期は既に脱したが、一気にゴーサインは出せない、というところであろう。

◆2021年10月(1月~10月)の主要経済統計によると、足元の中国経済は低空飛行が続いている。10月の鉱工業生産は前年同月比3.5%増(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)、小売売上は4.9%増と、伸び率は9月よりも若干加速したが改善は限定的であった。また、1月~10月の固定資産投資は6.1%増と、1月~9月の7.3%増から一段と減速した。中国経済見通しに前回から変更はない。2021年は8.0%程度、2022年は5.4%程度の実質成長を想定している。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)