マルマエ <6264> は半導体・FPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工を展開している。21年9月の受注残高は前年比153.7%増の20億円(20年9月は7億88百万円)と急増している。受注が好調に推移して22年8月期も大幅増収増益で過去最高更新予想としている。さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調だろう。株価は9月の戻り高値圏から反落して利益確定売りが優勢の形だったが、好業績を見直して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
 
■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工およびEBWを展開
 
 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、および電子ビーム溶接(EBW)を展開している。
 
 作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。
 
■22年8月期営業利益20億円目標
 
 中期事業計画の数値目標は22年8月期売上高70億円、営業利益20億円、資産ベースROIC18%、負債ベースROIC14%、配当性向30%以上、年間最低配当額10円(最終損益が赤字となる場合は見直し)を掲げている。設備投資の計画(CFベース)は増産投資および自社使用目的の太陽光発電投資を中心に、20年8月期3.4億円、21年8月期9.1億円、22年8月期10億円としている。
 
 売上拡大戦略として半導体分野では、市場成長も背景として既存顧客からの受注品種拡大、デバイスメーカーの稼働向上に伴う消耗品の受注拡大を見込み、新規顧客獲得も推進する。既存顧客の売上に関しては20年8月期から22年8月期で約26%成長を目指す。新規顧客の売上に関しては2社からの受注を獲得(1社目は20年8月期量産開始、2社目は試作品提供開始)しており、20年8月期の1.2億円から22年8月期には12億円(1社目8億円、2社目4億円)を目標とする。
 
 FPD分野の売上は20年8月期の10.6億円から、22年8月期に16億円を目指す。市場環境として21年8月期は市場縮小、22年8月期に高精細化投資で再拡大を想定し、EBWを活用した新規顧客獲得や、同業他社の撤退などによる市場シェア拡大を見込んでいる。
 
 その他分野ではEBWに続く新技術習得による新分野開拓、リハビリ機器の研究開発などを推進する。
 
 また中長期的な取り組みとしてESG経営を推進する。再生可能エネルギー活用によるCO2削減を推進するため、30年8月期に年間使用量50%以上を太陽光で自社発電する計画(30年8月期までに合計424百万円を設備投資)としている。さらに、職場環境向上の取り組みではワークライフバランスを整え、女性が継続して働ける職場づくりを目指す方針だ。
 
■21年9月の受注残高は前年比153.7%増で過去最高
 
 月次受注残高(速報値ベース)を見ると、21年9月は半導体分野が13億99百万円(前月比15.7%増、前年同月比136.9%増)、FPD分野が5億33百万円(前月比1.1%増、前年同月比181.3%増)、その他分野が67百万円、合計が20億円(前月比10.9%増、前年同月比153.7%増)となった。
 
 合計ベースの受注残高は24ヶ月連続で前年同月比プラスとなった。出荷検収が好調に推移するなか、受注が出荷検収を大幅に上回り、受注残高は過去最高を更新する形で推移している。
 
 今後の動向として、半導体分野は好調な市場環境が継続し、FPD分野も中小型OLEDを中心に受注好調が継続する見込みとしている。その他分野では太陽電池製造装置向けの引き合いがあり、受注に向けて活動するとしている。
 
■21年8月期大幅増収増益、22年8月期も大幅増収増益・過去最高予想
 
 21年8月期の業績(非連結)は、売上高が20年8月期比22.4%増の53億69百万円、営業利益が34.7%増の12億07百万円、経常利益が43.9%増の12億円、当期純利益が30.7%増の9億02百万円だった。配当は7円増配の24円(第2四半期末10円、期末14円)とした。
 
 半導体分野の好調が牽引して大幅増収増益だった。分野別の売上高は半導体分野が31.8%増の42億21百万円、FPD分野が21.5%減の8億38百万円、その他分野が693.3%増の1億68百万円だった。利益面は原価(材料費、外注加工費、労務費、減価償却費)や販管費が大幅に増加したが増収効果で吸収した。なお受注高は43.6%増の62億41百万円(半導体分野が43.1%増の48億50百万円、FPD分野が24.3%増の11億60百万円、その他分野が923.4%増の2億29百万円)だった。
 
 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が11億円で営業利益が2億円、第2四半期は売上高が11億99百万円で営業利益が2億24百万円、第3四半期は売上高が13億16百万円で営業利益が3億52百万円、第4四半期は売上高17億54百万円で営業利益4億31百万円だった。
 
 22年8月期の業績(非連結)予想は売上高が72億円、営業利益が18億円、経常利益が17億80百万円、当期純利益が12億45百万円としている。収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため前期比増減率を非記載としているが、影響が軽微のため収益認識基準適用前の21年8月期実績との単純比較で見ると、売上高は34.1%増収、営業利益は49.1%増益、経常利益は48.3%増益、当期純利益は38.0%増益となる。配当予想は21年8月期比12円増配の36円(第2四半期末18円、期末18円)としている。
 
 引き続き需要が高水準に推移して、実質大幅増収増益で過去最高更新予想としている。分野別売上高の計画は、半導体分野が40.0%増の59億08百万円、FPD分野が27.7%増の10億70百万円、その他分野が32.1%増の2億22百万円としている。
 
 市場シェア拡大に向けた設備投資(当面は合計月産7億円の生産キャパシティ実現に向けて注力)や、採用投資(採用増に加えて労働分配率も向上方針)を積極的に実行するため、中期経営計画の22年8月期営業利益目標値20億円に対して若干未達の予想としているが、保守的な印象が強い。受注好調を勘案すれば、さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調だろう。
 
■株主優待制度は毎年8月末時点で6ヶ月以上保有株主対象
 
 株主優待制度は、毎年8月末日現在6ヶ月以上継続1単元(100株)以上保有株主を対象として、クオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。
 
■株価は戻り試す
 
 22年4月4日移行予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場の上場維持基準への適合を確認し、21年9月7日開催の取締役会においてプライム市場選択を決議し、東京証券取引所に申請した。
 
 株価は9月の戻り高値圏から反落して利益確定売りが優勢の形だったが、好業績を見直して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。10月15日の終値は2054円、今期予想PER(会社予想のEPS97円30銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の36円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS494円20銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約268億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)