うかい <7621> (JQ)は高級和食・洋食料理店を主力として、物販事業および文化事業も展開している。22年3月期業績予想は新型コロナ影響が不透明なため未定としている。前半は緊急事態宣言に伴う酒類提供自粛・時短営業など厳しい状況だったが、後半は新型コロナ影響が徐々に和らいで回復に向かうことを期待したい。なお取引金融機関とのコミットメントライン契約を締結・更新しているため資金面の不安はない。株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。調整一巡して上放れを期待したい。
 
■高級和食・洋食料理店が主力
 
 高級和食・洋食料理店を主力として、物販事業および文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。21年3月期末時点の店舗数は和食7店舗、洋食8店舗である。物販事業は「アトリエうかい」の常設店、ECサイト、百貨店の催事出店での販売などを展開している。なおセグメント区分は事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)および文化事業としている。収益面では第3四半期の構成比が高い季節特性がある。
 
 海外は、17年11月台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内に1号店「うかい亭 高雄」をグランドオープン、19年1月台湾・台北市の商業施設「微風南山」内に2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」をオープンしている。
 
■成長戦略としてブランド向上や新サービス創造を推進
 
 中期成長戦略として、ブランドの向上と確立(オンリーワンの店づくり)、安定的な収益基盤の再構築、戦略的・中長期的な人材育成、財務体質の改善を推進している。
 
 具体的には、飲食事業における顧客ニーズ多様化に対応した新メニューの開発、郊外店舗の集客力の底上げ、物販事業における「アトリエうかい」の成長促進、文化事業におけるイベント企画強化など、収益力向上に向けた施策を推進する方針だ。
 
 新型コロナウイルスを契機とする「新しい生活様式」に対応してテイクアウト販売も開始した。今後はテイクアウトやECをはじめとする販売チャネルの拡充など、新たなサービスの形の創造にも積極的に取り組む方針としている。
 
■22年3月期予想未定だが後半は新型コロナ影響緩和期待
 
 22年3月期第1四半期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比2.4倍の20億46百万円となり、営業利益が5億01百万円の赤字(前年同期は5億80百万円の赤字)、経常利益が4億59百万円の赤字(同5億53百万円の赤字)、四半期純利益が4億63百万円の赤字(同8億20百万円の赤字)だった。
 
 新型コロナ影響で厳しい状況が続いているが、前年同期との比較では影響がやや和らぎ、前年の店舗臨時休業の反動で大幅増収となり、各利益は赤字縮小した。事業本部は2.3倍増収、文化事業は3.6倍増収だった。
 
 通期予想は引き続き新型コロナ影響が不透明なため未定としている。前半は緊急事態宣言に伴う酒類提供自粛・時短営業など厳しい状況だったが、後半は新型コロナ影響が徐々に和らいで回復に向かうことを期待したい。
 
 月次売上(前年同月比)を見ると、全店・既存店とも21年4月が795.0%、5月が同730.4%、6月が94.8%、7月が94.0%、8月が76.7%だった。5月と6月は20年の1回目の緊急事態宣言に伴う臨時休業の反動で大幅増だったが、7月以降は種類提供終日停止の影響(東京都内レストランは7月中旬より、神奈川県内レストランは7月下旬より種類提供終日停止)を受けている。
 
 なお令和元年台風19号被災および新型コロナ影響を受けなかった19年との比較で見ると、4月は全店が70.0%で既存店が67.1%、5月は全店が53.8%で既存店が51.5%、6月は全店が55.0%で既存店が52.3%、7月は全店が62.7%で既存店が59.6%、8月は全店が57.7%で既存店が55.6%だった。酒類提供自粛や時短営業の影響で回復半ばの形だが、影響は徐々に和らぐことが予想される。
 
■資金面の不安なく、リスクマネジメントを評価
 
 なお新型コロナウイルス影響の長期化に備えて、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結・更新している。
 
 21年3月期有価証券報告書の「事業等のリスク」欄には「新型コロナウイルスの影響で売上高が著しく減少して営業損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているが、財務基盤を安定させるためキャッシュ・フロー改善の推進、設備投資や経費の見直しなどの対策を行っていることに加えて、手元資金を厚くすることを目的として、21年4月および5月に取引金融機関4行と総額39億円の機動的な資金調達が可能となるコミットメントライン契約を締結および延長していることにより、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断している」との内容が記載されている。
 
 コミットメントライン契約による21年3月末時点の借入残高は14.5億円だった。借入極度枠に余裕があるため資金面の不安はない。リスクマネジメントが強化されていることを評価したい。
 
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
 
 株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
 
■株価はモミ合い煮詰まり感
 
 22年4月予定の新市場区分については、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でスタンダード市場への適合を確認しており、8月10日開催の取締役会においてスタンダード市場選択を決議し、9月8日付で東京証券取引所に市場選択申請書を提出した。
 
 株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。調整一巡して上放れを期待したい。9月24日の終値は3140円、前期実績PBR(前期実績のBPS542円39銭で算出)は約5.8倍、時価総額は約165億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)