ドル円は小幅に反落し、110円69銭まで売られる。失業保険申請件数が思ったほど減少していなかったことなどが影響し、ドルの上値は重かった。
 ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。1.19台前半から半ばで小動き。
 株式市場は3指数が揃って上昇。バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派の上院議員らと合意したことを好感。S&P500は最高値を更新。ナスダックは3日連続で最高値を更新する。債券は大きな動きはなく、長期金利は1.49%台と若干上昇。金は反落し、原油は続伸。

新規失業保険申請件数     → 41.1万件
5月耐久財受注        → 2.3%
1-3月GDP(確定値)   → 6.4%

ドル/円   110.69  ~ 110.91
ユーロ/ドル 1.1920  ~ 1.1956
ユーロ/円  132.13  ~ 132.41
NYダウ   +322.58 → 34,196.82ドル
GOLD   -6.70   → 1,776.70ドル
WTI    +0.22   → 73.30ドル
米10年国債 +0.007  → 1.492%

【本日の注目イベント】

日  6月東京都区部消費者物価指数
独  独7月GFK消費者信頼感
欧  ユーロ圏5月マネーサプライ
米  5月個人所得
米  5月個人支出
米  5月PCEコアデフレータ
米  6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁、オンラインイベントで講演
米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演(オンライン)


 FOMCメンバーによるテーパリング開始の時期を巡る多くの発言が金融市場の中心的材料となり、やや忘れかけていた「インフラ投資計画」が合意に達しました。昨日はこの材料がNY株を押し上げています。バイデン大統領は24日、インフラ投資計画について超党派の上院議員グループと暫定的な合意に達しました。これで、バイデン氏の最優先政策課題の一つが実現することになります。

 バイデン氏はホワイトハウスで、「われわれは合意した。ツートラックシステム(2つの路線)になる」と述べ、共和党が反対している「人的インフラ」にさらに多額の資金を投じる別の法案と並行して進められると説明しています。本法案が合意したことを受け、NY株式市場では主要株価指数が大きく上昇。ナスダックは3日連続で最高値を更新し、S&P500も最高値を更新しました。
 またダウも再び3万4000ドルの大台を回復しています。
 ドル円は昨日の東京時間午前中は何とか111円台をキープしていましたが、午後からはジリジリと売られ、NY市場では110円69銭までドルが押し戻されています。
 111円台は1年3カ月ぶりの水準でもあり、ドル売り注文が多く出ることは想定内です。これで110円~112円の新たなレンジに入ったのか、あるいは依然として110円を中心とするレンジが継続するのか、来週からの動きを見ていきたいと思います。

 テーパリング開始の時期を巡る発言は昨日も活発でした。
 リッチモンド連銀のバーキン総裁は、「短期的なインフレ圧力は第4四半期(10-12月)に向けて和らいでいくと見込んでいる」と述べ、パウエル議長と同じように、物価上昇率は鈍化していくと予想し、「ハト派寄り」の見方を示しました。
 バーキン総裁は、「物価上昇の大半は和らぐと考えなければならない。物価の反転すら見られる可能性もある。レンタカー料金が永遠に1日400ドルとなることはない。供給が増えるからだ」と話しています。(ブルームバーグ)またNY連銀のウィリアムズ総裁も、「インフレは来年と再来年には2%に低下するはずだ」と、改めてこれまでの考えを繰り返し、「景気回復が一段と完全なものになり、景気が極めて良好な状態になれば、低い金利をもっと正常な水準に戻すことが可能だ。だが、今はその時期ではない。最大限の雇用確保という状況には依然、程遠いためだ」と、やはり労働市場の回復の遅れを指摘しています。
 一方セントルイス連銀のブラード総裁はこれまで通り「タカ派的」な発言を繰り返し、「政策当局者らはこの先数カ月および数四半期に(インフレ率の加速という)この新たなリスクを考慮に入れなくてはならないだろう」と語っています。今夜発表されるPCEデフレータは、FRBがインフレ指標として最も重要視しているものです。
 データはどちらの見方が正しいのかを示してくれるはずで、今後数カ月で、「ハト派」の見方が正しいの、あるいは「タカ派」の主張が正鵠を射ていたことになるのか、はっきりしてくるはずです。
 ただ今後はこれらの発言にも市場は次第に反応しなくなると思われます。
 「お化け」は突然出るから怖いのであって、毎日見ていたら怖くなくなります。

 本日のドル円は110円50銭~111円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)