島津製作所 <7701> は、前日7日に50円高の4085円と3営業日ぶりに反発して引け、今年2月22日につけた上場来高値4450円を視界に捉えた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が「第4波」懸念を強め、「まん延防止等重点措置」が適用され大阪府などの3府県に続き、東京都も適用を検討し、とくに変異株ウイルスの感染が警戒されているが、同社が、今年3月17日に同変異株ウイルスの検出試薬キットの提供を開始していることから、今2021年3月期業績の再々上ぶれ期待を高めてウイズ・コロナ株買いが再燃した。同社は、すでにコロナウイルスへのPCR検査試薬キットなどの寄与などから今期業績を2回上方修正、純利益は、2期ぶりの過去最高更新が見込まれている。
 
■純利益は期初の連続減益予想が増益転換し2期ぶり過去最高
 
 同社の新型コロナウイルス変異株試薬キットは、昨年4月20日に発売した「新型コロナウイルス検出試薬キット」をベースに開発したもので、ウイルスの特定の変異部位をRNA精製なしで直接検出することを可能としており、同社が出資している筑波大学発のスタートアップ企業のiLAC(アイラック、茨城県つくば市)に同キットを提供し、アイラックは、解析サービスを今年4月1日に開始、処理能力は1日6000検体分と国内最大となる。政府は、感染力の強い変異株を警戒し、変異株のPCR検査を民間検査機関にも委託するなど強化しており、国際的に遅れている国内の検査体制のキャッチアップに貢献する。
 
 同社は今回の変異株検出試薬キットに先立って、昨年4月以来、従来型ウイルスの検出試薬キット、全自動PCR検査装置、肺炎診断の移動型X線撮影装置の開発・発売・増産などを行ってきており、この早期立ち上がりに半導体製造装置向けのターボ分子ポンプの好調推移なども加わって、今2021年3月期業績を昨年11月、今年2月と2回も上方修正した。純利益は、期初予想の160億円(前期比49.6%減)の連続減益予想が270億円、330億円(同3.9%増)まで引き上げられて増益転換し、2019年3月期の過去最高(325億2300万円)を更新すると見込まれている。変異株検出試薬キットが、業績の再々上ぶれ材料になるとも期待されている。配当も、期初の年間26円が28円、30円(前期実績30円)と次々に引き上げられ前期並みを予定している。
 
■PERはやや割高も新型コロナと半導体のダブル効果で最高値奪回へ
 
 株価は、昨年3月にコロナ禍による世界同時株安で昨年来安値2148円へ突っ込んだが、同4月の検出試薬キット発売で3150円高値まで大きく出直り、その後も試薬キットや検査装置の開発・発売と今期業績の上方修正のダブル効果で上値を追い、今年2月には上場来高値4450円まで買い進まれた。同高値後は、利益確定売りも出て25日移動平均線を試す下値調整が続いた。PERは36倍台と市場平均は上回るが、新型コロナウイルス感染症と半導体製造装置の関連株人気にサポートされ、最高値奪還から一段の上値チャレンジが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)