米国の市場で上場していた中国のハイテク企業の香港上場が進展している。3月23日には検索大手の百度(NASDAQ:BIDU)、そして、29日には動画投稿プラットフォームのBiliBili(NASDAQ:BIL)が香港メインボードに上場することが明らかになった。2019年11月にアリババ(阿里巴巴集団)が香港に上場して以来、米国で資金調達をしてきた中国のテクノロジー大手企業が、中国市場に回帰する動きが強まっている。

 米中貿易摩擦で対立を深める米中両国だが、米国においては安全保障の観点から、米国防省が「中国軍を支援する中国企業リスト」を公表し、これら企業との米国企業の取引や投資を制限する動きがあり、2020年に強化されている。ファーウェイ(華為技術)やZTEといった通信機器大手から、監視カメラのハイクビジョンやダーファなどが先行して忌避リストに指定され、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)などの通信キャリア、さらには、半導体製造のSMICなども指定され、中国企業の米国内での企業活動が窮屈になっている。

 一方で、中国政府は強大な国内市場を一段と発展させる「国内大循環と国内国際双循環」の政策を打ち出し、「デジタル中国」の建設をめざしてテクノロジー企業への支援を明確にしている。中国企業の目が、中国国内に向くのは自然の流れといえる。

 2019年11月26日にアリババが香港メインボードに新規上場して以来、2020年6月11日には中国の四大ポータルサイトの一角であるネットイース(網易)、同18日にはEC大手の京東集団(JD.com)が香港メインボードに上場し、今年3月には15日に上場した汽車之家(オートホーム)、百度、BiliBiliが続く。

 米国に上場する中国テクノロジー企業は。中国版Facebookといわれる人人(Renren)、大手ポータルサイトの新浪(SINA)や捜狐(Sohu)、SNSサービスの陌陌(MOMO)や魔線(Moxian)、共同購入サービスの拚多多(Pinduoduo)、電気自動車の蔚来汽車(NIO)、オンラン旅行会社の携程旅行網(Trip.com)など、数多い。それぞれに中国国内においても業界のリーダーとして活躍している企業が多いことも特徴だ。今後、これらの企業から、香港市場に株式を公開する企業が続くものと考えられる。(イメージ写真提供:123RF)