科研製薬 <4521> は皮膚科領域・整形外科領域を主力とする医薬品メーカーである。21年3月期は薬価改定や新型コロナウイルスに伴う医療機関受診抑制の影響、研究開発費の増加などで減収減益予想(10月27日に下方修正)としている。第3四半期累計は減収減益だった。そして通期予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率が順調であり、通期再下振れリスクは小さいだろう。
 
■整形外科・皮膚科領域が主力の医薬品メーカー
 
 皮膚科領域および整形外科領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品、飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。
 
 主要製品は外用爪白癬治療剤のクレナフィン、関節機能改善剤のアルツ、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、創傷治癒促進剤のフィブラストスプレー、排尿障害改善剤のエブランチル、歯周組織再生剤のリグロス、腰椎椎間板ヘルニア治療剤のヘルニコア、およびジェネリック医薬品である。
 
 外用爪白癬治療剤のクレナフィンの海外展開は導出先のMain Life社(中国)が20年3月香港で販売開始、20年9月マカオで販売開始した。
 
 日本初の原発性腋窩多汗症用外用剤エクロック(開発コードBBI-4000、米国Brickell Biotechから導入)は、20年9月国内製造販売承認取得して20年11月販売開始した。
 
 21年1月には、ブロックチェーン技術を活用したデータプラットフォーム事業で医療・ヘルスケア領域への展開を目指すジーネックス(マネックスグループの関係会社)に出資して業務提携した。21年2月には、持田製薬が骨粗鬆症治療剤として販売しているテリパラチドBS皮下注キット「モチダ」について、日本国内におけるコ・プロモーション契約を締結した。
 
■開発パイプライン
 
 21年3月期第3四半期末時点の主要開発パイプラインの状況は、熱傷焼痂除去を適応症とするKMW-1(メディウンド社から導入、海外製品名NexoBrid)が第3相段階、アタマジラミ症を適応症とするKAR(イベルメクチン)(アーバー社から導入、海外製品名Sklice)が第3相準備中、爪白癬症を適応症とするKP-607(自社創薬)が第2相段階である。
 
 提携先が治験中の案件として、レナバサム(米国コーバス社から導入)は、コーバス社が全身性強皮症を適応症として国際共同第3相段階、皮膚筋炎を適応症として国際共同第3相段階である。
 
 尋常性乾癬を適応症とするKP-470(自社創薬)は、導出先のボシュ・ヘルス社の治験が完了し、他の適応症での開発を協議中である。
 
 21年1月には、がん領域に特化したバイオ医薬品会社のニューマブ社(スイス)と、アトピー性皮膚炎を対象とする新規多重異性抗体医薬候補物質NM26―2198に関して、日本およびアジアでの開発・事業化のライセンスおよび共同開発契約を締結した。
 
■21年3月期3Q累計減収減益、通期減収減益予想据え置き
 
 21年3月期第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.7%減の570億82百万円で、営業利益が33.4%減の149億49百万円、経常利益が32.8%減の153億47百万円、四半期純利益が29.7%減の109億34百万円だった。
 
 薬価改定や新型コロナウイルスに伴う医療機関受診抑制の影響で減収減益だった。研究開発費は2.6%増の48億62百万円だった。なお特別利益に固定資産売却益3億79百万円を計上し、特別損失では前期計上の減損損失2億87百万円および貸倒引当繰入額3億12百万円が剥落した。
 
 主要医薬品の売上はクレナフィンが14.9%減収、アルツが22.7%減収、セプラフィルムが11.2%減収、フィブラストスプレーが10.1%減収、エブランチルが0.8%減収、リグロスが6.3%増収、ヘルコニアが3.0%減収、ジェネリック医薬品が13.4%減収だった。
 
 21年3月期通期の連結業績予想(10月27日に下方修正)は据え置いて、売上高が20年3月期比13.5%減の772億円、営業利益が31.7%減の181億円、経常利益が31.3%減の185億円、当期純利益が30.8%減の134億円としている。配当予想は20年3月期と同額の150円(第2四半期末75円、期末75円)としている。
 
 主要医薬品の売上計画はクレナフィンが9.2%減収、アルツが19.3%減収、セプラフィルムが5.6%減収、フィブラストスプレーが7.1%減収、エブランチルが1.5%減収、リグロスが2.5%増収、ヘルコニアが5.0%増収、ジェネリック医薬品が13.6%減収としている。
 
 通期ベースでも薬価改定や新型コロナウイルスに伴う医療機関受診抑制の影響を受け、さらに医薬品輸出や特許料収入の減少、研究開発費の増加(27.8%増の82億円)も影響して減収減益予想としている。ただし通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.9%、営業利益が82.6%、経常利益が83.0%、純利益が81.6%と順調だった。通期再下振れリスクは小さいだろう。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)