ドル円は104円台半ばから後半で小動き。失業保険申請件数がやや改善傾向を見せたものの、相場への影響もなく、この日は15銭程度の値幅に留まる。ユーロドルも同じく小幅な値動きで推移。1.21台前半から半ばで推移し、次の材料を待つ展開。
 株式市場はまちまち。ダウは朝方大きく下げたが、午後には下げ幅を縮小し7ドル安。ナスダックとS&P500は共に、最高値を更新。債券は売られ、長期金利は1.16%台に上昇。金は5日ぶり、原油は9日ぶりに反落。

新規失業保険申請件数   →  79.3万件

ドル/円    104.65   ~  104.80
ユーロ/ドル  1.2121   ~  1.2149
ユーロ/円   126.99   ~  127.16
NYダウ    -7.50   →  31,430.70ドル
GOLD    -15.90  →  1,826.80ドル
WTI     -0.44   →  58.24ドル
米10年国債  +0.023  →  1.163%

【本日の注目イベント】

欧  ユーロ圏12月鉱工業生産
英  英10-12月期GDP(速報値)
英  英12月鉱工業生産
英  英12月貿易収支
米  2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

 ドル円は動きが緩慢となり、104円台後半で推移しています。祝日前には104円50銭近辺まで売られましたが、104円台半ばは割り込まずに小幅に反発しています。
 米長期金利が1.16%台と、高止まりしていることがドルを支える構図になっていますが、ドルの買戻しも一旦終えたと思われ、短期的な相場観は「ニュートラル」に戻されてきたと思われます。

 パウエルFRB議長は10日にNY経済クラブで講演を行い、労働市場の完全回復には「まだ程遠い」との認識示しました。
 議長は、今年1月の雇用者数が2020年2月の水準を1000万人近く下回っていることを指摘し、「恩恵が広く共有されるような力強い労働市場からは、なお非常に遠い状態にある」と述べ、その上で、「最大限の雇用を達成し、それを維持するには、金融政策による支援以上のものが必要となる」と話しています。議長の発言は、バイデン大統領が提案している1.9兆ドル(約199兆円)の経済対策を念頭に置いた発言とも受け取れ、財政支援の必要性を訴えています。
 一方でFRBとしては、現行のゼロ金利政策と、金緩緩和を粛々と継続していることに専念するしかなく、この日の発言は先月のFOMC後の記者会見での発言と整合的で、ほぼ想定通りの内容だったと思います。

 バイデン大統領は就任後初めて中国の習近平国家主席と電話会談を行いました。バイデン氏は、新疆ウイグル自治区での人権侵害について懸念を伝え、さらに香港の政治的自由に対する制限拡大や台湾を含め同地域における「一段の積極的な動き」についても懸念を表明しました。
 バイデン氏は電話会談で、「米国民とその同盟国の利益を促進する場合は、実利的で結果重視の関与追及にコミットしている」と述べています。(ブルームバーグ)一方習氏は、「中国の内政で、主権にかかわる問題」であることを主張し、「米国は中国の核心的利益を尊重し、慎重になるべきだと」と述べ、米国側をけん制しています。
 中国にとっては、米国がトランプ政権からバイデン政権に替わったこの機会を捉え、貿易、関税問題などを穏便に解決していく手段を模索していると思われますが、初のトップ会談では双方の立場を主張し合ったに留まっています。

 現在も米議会で行われているトランプ前大統領に対する弾劾裁判では、民主党側が議会議事堂への乱入はトランプ氏の指示であったと主張して、その根拠などを説明しています。
 今後はトランプ氏側の弁護団が反攻に出ますが、早ければ今週中にも結果が出る模様です。仮に「賛成」多数で結審しても、市場への影響はないものと考えます。

 欧州委員会は11日最新の経済予想を発表し、ユーロ圏の2021年の成長予想を3.8%と、従来の4.2%から下方修正しました。委員会は、この見通しは新型コロナウイルスの感染拡大予防策に大きく依存しているとし、「どれほど早急にワクチンを接種できるのか、またどの時点で制限措置を緩和できるのかが問題だ」と指摘しています。
 ワクチン接種が広がり、予測通りの展開になった場合、ユーロ圏経済は従来予想よりも早い2022年半ばにはコロナ禍前の水準に回復する見通しであるが、ただ回復にはばらつきがあり、スペインとイタリアは年末までその水準を達成しないと、欧州委員会はみています。
 同時に、ワクチン接種が遅れ、景気の下振れがさらに予想されるような状況になると、ECBはマイナス金利のさらなる深堀を含む、もう一段の金融緩和策に踏み切る可能性も想定されます。

 本日は米国でミシガン大学消費者マインドが発表され、この内容で株価が動くかもしれませんが、為替市場への影響は限定的と考えます。

 予想レンジは104円40銭~105円10銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)