投資信託の評価機関であるモーニングスターが、毎年、国内の追加型株式投資信託約5500本を対象に、優れた運用実績とマネジメントを持つファンドを選考したアワード「ファンド オブ ザ イヤー」の2020年の受賞ファンドが2月1日に発表された。22回目となる今回は、7部門で最優秀ファンド賞6ファンド、優秀ファンド賞31ファンド、合計37ファンドが受賞した。従来は、受賞会社を集めた授賞式で発表していたが、今回は、コロナ禍による緊急事態宣言が発出されている中での発表となり、オンライン授賞式を開催した。
 
 「国内株式型 部門」(対象ファンド数908本)は、日経平均株価が約30年ぶりの高値になるなど、2年連続の上昇相場となり、グロース型を中心に8割以上のファンドがプラスのリターンとなる中での激戦となった。最優秀ファンド賞は、野村アセットマネジメントの「情報エレクトロニクスファンド」で2年連続の最優秀ファンド賞受賞となった。優秀ファンド賞は、コモンズ投信の「ザ・2020ビジョン」、三菱UFJ国際投信の「未来イノベーション成長株ファンド」になった。

 「国際株式型(グローバル) 部門」(同579本)を取り巻く環境を見ると、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数が揃って史上最高値を更新するなど、米国株式の上昇が目立つ一方、ドイツのDAX指数は年間で3.55%上昇、英国のFTSE100指数は年間で14.34%の下落となるなど、国によってパフォーマンスのバラツキがあった。日本を含めたグローバルな株価の動きを代表する「MSCIワールドインデックス(配当込み、円ベース)」は年間で10.05%の上昇となり、類似ファンド分類別のトータルリターンは、全ての分類がプラスのリターンを獲得した。

 最優秀ファンド賞は三菱UFJ国際の「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド『愛称:ロイヤル・マイル』」。優秀ファンド賞は、日興アセットマネジメントの「グローバル・フィンテック株式ファンド」、インベスコ・アセット・マネジメントの「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド『愛称:世カエル』」、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「世界スタートアップ&イノベーション株式ファンド」、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:EV革命』」、アセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称:未来の世界』」、三井住友TAMの「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド『愛称:THE 5G』」、ティー・ロウ・プライス・ジャパンの「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)」、大和アセットマネジメントの「ロボット・テクノロジー関連株ファンド-ロボテック-」。

 「国際株式型(特定地域) 部門」(同718本)では、各国・地域別のパフォーマンスに格差があり、史上最高値を更新した米国株式が好調だった一方、欧州は厳しい環境だった。また、上海総合指数は年間で13.87%の上昇となり、新興国の代表的な株価指数である「MSCIエマージングマーケットインデックス(配当込み、円ベース)」は年間で12.12%上昇した。最優秀ファンド賞は、三井住友DSアセットの「グローバルAIファンド(為替ヘッジあり)」で、2018年の優秀ファンド賞受賞しており、2度目の受賞となった。優秀ファンド賞は日興アセットの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド『愛称:イノベーティブ・フューチャー』」、野村アセットの「米国NASDAQオープンBコース」、明治安田アセットマネジメントの「明治安田米国中小型成長株式ファンド」、三井住友DSアセットの「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」、ティー・ロウ・プライスの「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド『愛称:アメリカン・ロイヤルロード』」、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」、野村アセットの「野村 未来トレンド発見ファンドBコース(為替ヘッジなし)『愛称:先見の明』」。

 「安定資産(債券・バランス安定)型 部門」(同1662本)では、類似ファンド分類別のトータルリターンを見ると、資産クラス別で債券の投資比率を高めているファンドが多く属している中、6割以上の分類がプラスとなっており、うち、「国際債券・オセアニア(為替ヘッジあり)」は18.57%と好成績だった。一方で、「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」がマイナス7.11%、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」がマイナス3.66%など相対的にリスクが高いとされる債券が苦戦を強いられた。最優秀ファンド賞は、アセマネOneの「投資のソムリエ」で、2016年、18年、19年に優秀ファンド賞を受賞しており4回目の受賞となった。優秀ファンド賞は、ラッセル・インベストメントの「ラッセル・インベストメント・グローバル・バランス 安定型『愛称:ライフポイント 安定型』」、シュローダー・インベストメント・マネジメントの「シュローダーYENターゲット(1年決算型)」、大和アセットの「マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド『愛称:スマレバ』」、アセマネOneの「リスク抑制世界8資産バランスファンド『愛称:しあわせの一歩』」。

 「バランス (成長)型 部門」(同897本)は、類似ファンド分類別のトータルリターンを見ると、第1位の「バランス」が3.94%、第2位の「ターゲットイヤー2031~」が3.92%、第3位の「ターゲットイヤー2021~2030」が2.90%となり、いずれも低調な動きとなった。最優秀ファンド賞は、ピクテ投信投資顧問の「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド『愛称:クアトロ』」で、2019年の優秀ファンド賞に続いて2回目の受賞。優秀ファンド賞は、三井住友DSアセットの「人生100年時代・世界分散ファンド(3%目標受取型)」、三井住友TAMの「世界経済インデックスファンド」。

 「オルタナティブ型 部門」(同540本)は、類似ファンド分類別のトータルリターンを見ると、ヘッジファンドがいずれもプラスとなった一方、コモディティとREITはいずれもマイナスと低調な運用成績になった。トータルリターンは、「ロング/ショート」が2.16%と最も高い一方、「国際REIT・オセアニア(為替ヘッジなし)」が5.50%の下落、「東証REIT指数連動型」が13.71%の下落などREITは厳しい成績になった。最優秀ファンド賞は野村アセットの「ダブル・ブレイン」で、2019年に優秀ファンド賞を受賞し2回目の受賞となった。優秀ファンド賞は、パインブリッジ・インベストメンツの「パインブリッジ・グローバル・テクノロジー・インフラ・ファンド『愛称:未来インフラ』」、三井住友DSアセットの「アジア好利回りリート・ファンド」、大和アセットの「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Aコース(為替ヘッジあり)」、三井住友TAMの「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」。

 「ESG型 部門(同129本)」については、2020年12月末時点の純資産残高が5656億円と当部門に属しているファンドはこの1年間で純資産額を902億円増やしており、また、129本のうち直近5年に設定されたファンドは56本と、近年注目度が向上している。優秀ファンド賞は、三菱UFJ国際の「ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンド『愛称:ポジティブ・チェンジ』」、ピクテの「ピクテ・エコディスカバリー・アロケーション・ファンド(年2回決算型)為替ヘッジなし『愛称:エコディスカバリー』」、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・がんとたたかう投信(為替ヘッジなし)(年1回決算型)」、イーストスプリング・インベストメンツの「イーストスプリング 新興国スタープレイヤーズ」。(情報提供:モーニングスター社)(図版は、ファンド オブ ザ イヤー2020の特設サイトより)