株価の急落に、決済通貨のドルを買う動きが加速し、ドル円は約2週間ぶりに104円台を回復。一時は104円20銭まで買われ、「有事のドル」復活。ドルを買う動きが強まり、ユーロドルも下落。1.2058近辺までユーロ安が進む。株式市場は急落。ダウは633ドル下げ、ナスダックも355ポイント安と今年最大の下げを演じる。投機的な動きと、ヘッジファンドが損出を埋めるために利益の出ている銘柄を大量に売ったとか。債券は続伸。長期金利は1.01%台と、節目の1%に接近。金は5日続落。原油は小幅に反発。

12月耐久財受注    → 0.2%  

ドル/円  103.86  ~ 104.20
ユーロ/ドル 1.2058 ~ 1.2129
ユーロ/円  125.60 ~ 126.19 
NYダウ  -633.87 → 30,303.17ドル
GOLD  -6.00 → 1,844.90ドル
WTI  +0.24 → 52.86ドル 
米10年国債  -0.019 → 1.016%

【本日の注目イベント】


独   独1月消費者物価指数(速報値)
欧   ユーロ圏1月景況感指数
欧   ユーロ圏1月消費者信頼感指数(確定値)
米   新規失業保険申請件数
米   10-12月GDP(速報値)
米   12月新築住宅販売件数
米   12月景気先行指標総合指数
米   企業決算 →  ダウ、コムキャスト、VISA,
加   カナダ12月住宅建設許可件数

 「合理的バブル」への警鐘か・・??NY株が今年最大の下げを見せました。特にこれといった明確な材料は見当たらないものの、ダウとナスダックは2%を超える大幅な下げとなり、特に今週に入り連日で最高値を更新していたナスダッック指数は2.6%安と、厳しい下げに見舞われました。この欄でも何度か、株価の乱高下から米金利が動き、その動きに沿ってドル円が上下するという見立てを指摘してきました。昨日の動きはそれに近いものでしたが、急激なリスク回避の流れは、国際決済通貨であるドルを選好し、「有事のドル買い」が復活した格好でした。これまでの「安全通貨の円」はその神通力を失いつつあるのかもしれません。NY株が大きく下げ、米長期金利が低下した際には、反射的に買われた円は、昨日はクロス円ではやや買われましたが、かつての「強い円」は見られません。ドル円は104円台まで上昇し、約2週間ぶりのドル高水準を付けましたが、ここから104円台半ばを超えて行くようなら、今後の相場観にも影響を与える動きにつながる可能性もあります。リスク回避の流れが強まったことで、「VIX指数(恐怖指数)は大きく上昇し、昨年11月以来となる「37」台まで恐怖感が強まってきました。この「VIX指数」は、「20」を超えると警戒感が強まり、リスクに対する備えが必要だと見られていますが、極めて不思議なことに「VIX指数」は昨年2月以来一度も「20」を下回ったことがありません。ブルームバーグも指摘していましたが、リスクが高まると上昇する「VIX指数」は、当然ですが、市場が落ち着き、多くの投資家がリスクを取れるようになると下がります。昨年2月21日に「VIX指数」が「17」台まで低下した時には、ダウはまだ2万9300ドル台でした。ナスダッックに至っては9800ポイント台でしたが、その後はご存知のように、NY株は急騰し、ナスダックは1万3635ポイントまで上昇、史上最高値を記録しています。それでも「VIX指数」は節目の「20」を割り込んだことはなかったわけです。

 問題は、これが何を意味するのか?・・・・ということです。「VIX指数」が上昇すると円が買われ、円高が進んだドル円でも、その相関関係が崩れています。「VIX指数」は、投資家がリスク選好、リスク回避を判断する際のベンチマークとして、最早機能しなくなっているのか?あるいは、高止まりしていることで投資家へ「警鐘」を鳴らし続けているのか?年後半には答えが出ているかもしれません。

 個人的には注目度が低下していると見ていた今回のFOMCですが、予想通り現状維持を決め、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置きました。声明文では、「連邦準備制度は現在の困難な時期の米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」と、これまでの声明文と目立った変化はありません。コロナウイルスの感染が経済に与える影響に関しても触れており、「経済の道筋はワクチンに関する進展を含め、ウイルスを巡る状況に大きく左右される。進行中の公衆衛生危機は引き続き経済活動や雇用、インフレへの重しとなっており、経済見通しへの重大なリスクをもたらしている」と記述されています。その上で、「委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員会は公衆衛生労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融、国際情勢など幅広く考慮して判断する」とあります。(ブルームバーグ)

 会合後パウエル議長は会見で、「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」と述べ、一部で噂されているテーパリングについて、「しかるべき時に資産購入のテーパリングを開始する時に、誰も不意を突かれたと受け止めることがないよう。金融当局として明瞭なコミュニケーションを心がける」と語り、「出口に焦点を合わせるのは時期尚早だ」とテーパリングを否定しました。

 ドル円は104円台を回復したことで再び雲の中に入ってきました。(日足)また、MACDでも「ゼロの軸」に絡んでおり、微妙な値位置になっています。前回も104円台ミドルで上昇を抑えられUターンしています。上でも述べたように、104円台ミドルを明確に超えて行けるかどうかが焦点です。引き続き株価が為替の方向を決める展開が続き、日米の株価の動きには注視したいところです。

本日のドル円は103円70銭~104円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)