ドル円はやや水準を切り下げ、103円38銭まで売られる。リスク選好が進みドルが売られたものの、クロス円では円も軟調な動きに。
 ユーロドルは小動き。ECBが金融政策を据え置いたことで材料不足となり動意に欠ける展開に。株式市場は3指数とも上昇していたが、引けにかけてダウはマイナスに転じる。ナスダックとS&P500は最高値を更新。債券は売られ、長期金利は再び1.1%台を回復。金と原油は下落。

新規失業保険申請件数        →  90万件
12月住宅着工件数         →  166.9万件
12月建設許可件数         →  170.9万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数  →  26.5

ドル/円    103.38  ~ 103.66
ユーロ/ドル  1.2136  ~ 1.2173
ユーロ/円   125.53  ~ 125.96
NYダウ    -0.60  → 31,176.01ドル
GOLD    -12.37 → 1,865.90ドル
WTI     -0.18  → 53.13ドル
米10年国債  +0.026 → 1.106%


【本日の注目イベント】

豪  豪12月小売売上高
日  12月消費者物価指数
独  独12月製造業PMI(速報値)
独  独12月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
英  英12月小売売上高
米  12月中古住宅販売件数
米  12月マークイット製造業PMI(速報値)
米  12月マークイットサービス業PMI(速報値)
米  12月マークイットコンポジットPMI(速報値)
米  米上院財政委員会、イエレン氏の財務長官指名公聴会
加  カナダ11月小売売上高

 式典を終えたバイデン大統領は、ホワイトハウスの執務室で早速15本の大統領令に署名を行う映像が公開されました。その中には、パリ協定への復帰やWHO脱退の撤回など、トランプ政権時代の政策を大きく転換するものも含まれていました。
 国のトップである大統領には、これほどの権限が委譲されていたことを、改めて知らされたのは筆者だけではないと思います。それだけに、最高指導者を選ぶ権利を有する国民も、より賢くなる必要があります。
 20日の就任式のスピーチでも、「結束」や「民主主義」という言葉を何度も使っており、その言葉の頻度からも、今後のバイデン政権の運営が簡単ではないことを物語っていたと感じました。

 大統領就任2日目となったバイデン氏は重要な政策の柱の一つである、新型コロナウイルスと闘うための全国的な戦略を発表しています。バイデン氏はホワイトハウスで、コロナのため向こう約1カ月でさらに10万人が死亡する恐れがあり、事態は改善する前にさらに悪化するだろうと述べ、「より多くの人への無料のワクチン接種のため全力を尽くす」と述べました。またバイデン氏はより頻繁にマスクを着用するよう国民に呼び掛け、「こうした予防措置で4月までに5万人の命を救える」と指摘し、「マスク着用は実際のところ、われわれが出来る唯一にして最善のことだ。ワクチンよりも重要だ」と国民に訴えました。

 下院での承認公聴会で中国に対する米国の強硬な姿勢は変わらないことに言及したイエレン次期財務長官が、その姿勢を裏付けるような言葉を、議員からの質問に対して回答している文書をブルームバーグが入手したと伝えています。
 イエレン氏は、新政権は「中国の悪質な慣行にはあらゆる手段を積極的に使う」とし、「対中関税は同盟国と協議するまで変更するつもりはない」と書面で回答しています。さらにイエレン氏は、「通商上の不公正な優位を得るための人為的な為替操作に対しては、バイデン大統領は反対の意思を明確にしている。
 この意向を支持しており、承認を受ければ、いかなる為替操作に対しても政権内で協力して反対していく」と表明しています。FRB議長時代のイエレン氏とは打って変わった強い言葉での意思表明だと感じます。「物価の安定と雇用の最大化」を責務とするFRB議長から、バイデン政権の最重要閣僚の1人として、「財政、為替、貿易」などの分野で最前線に立つ、財務長官としての強い意志の表れだと思われます。

 ECBは20日の理事会で、金融緩和措置の現状維持を決め、パンデミック緊急プログラム(PEPP)の規模を1兆8500億ユーロ(約233兆円)で維持し、少なくとも2022年3月末まで継続することを確認しました。
 ラガルド総裁は、「中銀預金金利をマイナス0.5%で据え置き、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)を通じて銀行に十分な流動性供給を続ける」ことを表明しました。
 また域内の景気については、「ユーロ圏経済は2020年10-12月『第4四半期』に恐らく縮小した。『第4四半期』の縮小は『第1四半期』に流れ込むだろう」とも述べ、景気が二番底に向っているとの認識を示しています。個人的には今回の会合で追加緩和の可能性を予想していましたが、ECBはコロナによる影響がより明瞭になる3月の会合で、より深い議論を行うことを選択した模様です。

 米長期金利は先週後半から低下傾向にありましたが、1%の大台を割り込むことなく、再び1.1%台まで上昇してきました。一方104円台半ばまで買われたドル円はジリジリと下値を切り下げ、102円60銭から104円40銭までの上昇幅の「約半値」程度押し戻されたことになります。これまでも述べてきたように、まだドル下落のリスクは残っています。従って、ドルの戻りを売るスタンスは継続する必要があります。ただ、ドルの下値も徐々に底堅くなってきたのも事実です。102―104円のレンジ内で推移すると予想し、次の材料を待つ展開でしょう。

 本日のドル円は103円10銭~103円90銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)