ドル円は下値をさらに切り下げ102円61銭までドル安が進む。株価の上昇に伴いリスクオンが強まり、さらに豪ドルなどでドル安が進んだことも、円を買う動きを加速。
 ユーロドルも上昇し、1.2306まで買われる。前日大きく売られた株式市場は3指数とも揃って反発。ジョージア州での決選投票を巡る不透感はあるものの、エネルギー株を中心に買われた。ダウは167ドル高。
 債券は売られ、長期金利は0.95%台へと上昇。金は続伸。原油価格は大幅に上昇。一時は10カ月ぶりとなる50ドル台まで買われ、49ドル台後半で引ける。

12月ISM製造業景況指数  → 60.7
12月自動車販売       → 1590万台

ドル/円   102.61  ~ 102.95
ユーロ/ドル 1.2254  ~ 1.2306
ユーロ/円  126.05  ~ 126.34
NYダウ   +167.71 → 30,391.60ドル
GOLD   +7.80   → 1,954.40ドル
WTI    +2.31   → 49.93ドル
米10年国債 +0.042  → 0.955%

【本日の注目イベント】

中  中国12財新サ-ビス業PMI
中  中国12月財新コンポジットPMI
独  独12月製造業PMI(改定値)
独  独12月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏12月総合PMI(改定値)
欧  ユーロ圏12月サービス業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏11月生産者物価指数
独  独12月消費者物価指数(速報値)
米  12月ADP雇用者数
米  12月マークイット製造業PMI(改定値)
米  12月マークイットサービス業PMI(改定値)
米  11月製造業受注
米  FOMC議事録(12月15-16日分)
米  大統領選、上下両院合同会議が選挙人投票を集計し、次期大統領が正式に発表される

 世界中から投資資金が集まり、世界最大の規模を誇る米株式市場。それだけに、その動向は世界中のマーケットに影響を及ぼします。特に昨年中ごろからは、コロナの影響による「すごもり需要」から、アマゾンやアップルが買われました。さらには脱Co2に伴い電気自動車を生産する新興自動車メーカーのテスラなども株価をけん引し、ナスダック、S&P500などは連日最高値を更新したことは記憶に新しいところです。そして今や、米株式市場の動きが、世界の株式市場だけではなく、債券市場、為替市場、商品市場へも大きく影響を与える結果になっています。「世界の金融市場の中心に米株式市場がいる」と言っても過言ではありません。

 昨日の動きもそれに沿った動きでした。
 主要株価指数が揃って上昇したことで、債権が売られ金利は上昇。「リスクオン」が強まったことでドル売りが進み、ドル円は前日の直近安値を下回る、102円61銭までドル安が進みました。
 ユーロドルも再び1.23台に乗せるなど、主要通貨に対してドル安が進んでいます。特に目立ったのが豪ドルです。0.774台まで買われ、2018年4月以来の豪ドル高を記録しています。商品市況が堅調で、鉄鉱石の価格上昇が対中国との関係悪化を相殺している状況です。また、世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウイルスでも、比較的拡大防止には成功しています。
 豪ドルは対円でも80円に迫る水準まで上昇しており、昨年3月の60円割れからほぼ一貫して上昇しています。一旦は80円台に乗せる可能性が高いでしょう。

 注目のジョージア州での上院決選投票が始まりました。
 トランプ大統領とバイデン次期大統領がともに現地入りしたことを見ても、この決選投票の重要性が理解できます。現地で演説を行ったトランプ大統領は、「負けるわけにはいかない」と声高に演説を行い、大統領選挙では不正があったと改めて述べています。
 2議席を4名の候補者が争っていますが、すでにマスコミでも大きく報道されているように、1議席でも共和党が取れば、これまでのように「ねじれ議会」が継続され、民主党は2議席を取る必要があります。ただ、仮に民主党が2議席を確保し、ハリス次期副大統領が議決権を有することから、過半数を握ったとしても、市場がどのような反応を見せるかは断定できません。大規模な財政出動など、バイデン政権にとって政策運営がやり易くなると言う意味では、株価にとってプラス材料と見られます。そうなると、ドル安がさらに進む・・・?まだ、そう判断するわけにはいきません。
 すでに300万人を超える有権者が期日前投票を済ませており、これは同州での決選投票では過去最高だそうです。郵便投票など全て集計して当選者が確定するには数日、もしくは数週間かかる可能性もあるようですが、今朝の情報では、「6日の朝には結果が判明する可能性が高い」と、ラッフェンスパーガー州務長官がFOXニュースで述べています。

 米供給管理協会(ISM)が発表した12月の製造業景況感指数は予想を大きく上回っていました。
 市場予想は「56.8」でしたが「60.7」と、ここ2年余りで最も高い拡大ペースを示しています。
 ブルームバーグによると、新規受注が持ち直したほか、生産が2011年以来の大幅上昇となっており、パンデミックで大打撃を受けた製造業界は、ここ数カ月で着実に回復しているとのことです。また、完全回復にはまだ時間を要する一方、景気の好転や在庫水準の低さが今後も生産や雇用の改善をけん引する見通しを今回の指数は明確に示していると論じています。

 昨日東京都で新規のコロナ感染者数が1278人確認され、昨年末に次いで過去2番目の多さでした。政府もようやく重い腰を上げ、明日7日から1都3県を対象に「緊急事態宣言」を発令する予定です。
 今回の制限は4月の時ほど厳しいものではないようですが、この制限で5兆円の消費減が見込まれるとの試算もあり、影響は避けられません。
 ただこの措置で、増加傾向にある感染者数が減少に転じれば、2月末までにはファイザー社のワクチンも届く見込みもあるため、結果的にはその後の消費拡大につながるものと思われます。
 問題は厳しい環境に置かれている中小の飲食業が、それまで持つのかどうかが心配です。イギリスでは1日当たりの感染者数が過去最多を更新し、イングランドでは50人に1人が感染しているとの報告は衝撃的でした。

 ジリジリと下値を切り下げているドル円ですが、下値の一つの節目である102円50銭を割り込みそうな気配です。NYでは株価が上昇し、リスクオンが強まるとドルが売られる傾向がありますが、東京市場では株価の下落がそのままドル売りにつながるケースも見受けられます。

 本日のドル円は102円20銭~103円10銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)