前日再び103円を割り込んだドル円は、やや値を戻し103円32銭まで反発。103円30銭近辺で越年したが、依然として上値の重い展開が続く。
 ユーロドルも前日には2018年4月以来となる1.23台まで上昇したが、この日は1.222台前半で小動き。株式市場は3指数が揃って上昇。ダウは196ドル高とS&P500とともに、最高値を更新。債券相場は短縮取引の中、小幅に上昇。長期金利は0.91%台へと低下。金と原油はともに続伸。

ドル/円    103.00  ~ 103.32
ユーロ/ドル  1.2210  ~ 1.2228
ユーロ/円   126.07  ~ 126.66
NYダウ   +196.92 → 30,606.48ドル
GOLD   +1.70   → 1,895.10ドル
WTI    +0.12   → 48.52ドル
米10年国債 -0.007  → 0.913%

【本日の注目イベント】

中  12月財新製造業PMI
独  独12月製造業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏12月製造業PMI(改定値)
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米  ボスティック・アトランタ連銀総、パネル討論に参加


明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

 2020年末のドル円は103円30銭近辺で取引きを終えました。2019年末のドル円が108円55銭程度だったことから、2月には112円台までドル高が進んだものの、結局緩やかな円高とういうより、「緩やかなドル安」で2020年を終えたことになります。
 2019念末が1.1205だったユーロドルでも、ドル安ユーロ高が進み、12月30日には、2018年4月以来となる1.2310までユーロは買われています。豪ドル米ドルでも同じような展開となっており、主要通貨全てに対して売られたドルは「ドルインデックス」でも2020年の最安値近辺で取引を終えています。

 今年も概ね、少なくとも第一四半期はこの傾向が続くと思われますが、今月20日はバイデン新大統領が就任し、バイデン政権の政策がスタートします。新しい財務長官にイエレン前FRB議長が就任し、経済運営をどのように行っていくのかも注目されます。また副大統領には、初の女性副大統領となるカマラハリス氏が就きます。
 これまでのトランプ政権が実施してきた「アメリカ・ファースト」という方針が、大きく舵を切り直されるとものと思われます。米国がどのように変わっていくのかによって、為替の値位置も大きく変わってきます。ただ、それでも変わらないのが対中国政策でしょう。米国では共和党だけでなく民主党も、香港や中国新疆ウイグル地区での人権問題などから、中国に対する強行姿勢は変わらず、程度の差こそあれ、大きく変更されることはないと思います。中国携帯電話最大手「チャイナモバイル」など、3社がNY証券取引所での上場を廃止された事案など、今後もこの傾向が続くと見られます。また中国も強大な経済力を背景に、基本方針を変える考えはなく、今後さらに反中国勢力への監視を強める可能性すらあります。
 今年は中共産党100周年の年にもあたります。そして、バイデン政権になって最も変わるのが、「トランプ大統領という不確定要素」がなくなるという点です。
 トランプ氏のツイッター一つで、為替相場が神経質に変動したこの4年間でした。特に中国との関税問題では関税率引き上げを突然発表したり、また突然引き下げたりと、市場は翻弄されました。また、側近の閣僚を辞任させた例は枚挙にいとまがありません。このような「不確定要素」が無くなるというのは事実でしょう。

 さらに今年の重要事項のもう一つは、言うまでもなく、コロナがいつ収束に向かうかという点です。すでにワクチンの接種が始まっている米国では依然感染拡大が止まりません。
 1月3日時点では世界の感染者数は8486万4877人、死亡者数は183万9848人になっています。(ジョンズホプキンス大学集計)日本でもこの正月三が日は感染者数が過去最多を記録し、まさに2021年はコロナで始まったという印象です。
 1都3県の知事は政府に対して「緊急宣言」発出を要請し、政府も要請内容を限定する方向で検討していると報じられています。
 東京都で1日に1300人の感染者が確認されたとの報道にも慣れっこになってしまった感はありますが、今年がコロナ撲滅の年になるのかどうか、日本国民、日本の経済にとって非常に重要な分岐点であると言えます。

 ドル円は依然として上値の重い展開が続いています。
 先週30日にも一時103円割れがありました。
 102円台後半がやや底堅くなってきていますが、102円台半ばから後半が軽いサポートゾーンになりつつあります。

 クリスマスから年末年始にかけて投機的な動きはなかったものの、多くの投資家が「ドルの戻りを売りたい」というスタンスを維持していると思われ、そのスタンスが方向転換される材料が待たれます。

 本日のドル円は102円80銭~103円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)