ドル円は104円台を中心にもみ合う。米長期金利が低下したことで103円83銭まで売られたものの、104円台に値を戻して越週。
 ユーロドルは英国との通商協議が決裂するとの見方が強まったことでやや下落。1.2106近辺まで売られたが、小動きに終わる。株式市場はまちまち。ダウは47ドル上昇した一方、ナスダックとS&P500は下落。債券は続伸し、長期金利は0.89%台へと低下。金は反発し、原油は反落。

米  11月生産者物価指数             → 0.1%
米  12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)  → 81.4

ドル/円   103.83  ~ 104.15
ユーロ/ドル 1.2106  ~ 1.2133
ユーロ/円  125.73  ~ 126.30
NYダウ   +47.11  → 30,046.37ドル
GOLD   +6.20   → 1,843、60ドル
WTI    -0.21   → 46.57ドル
米10年国債 -0.010  → 0.896%

【本日の注目イベント】

日  10-12月期日銀短観
日  10月鉱工業生産(確定値)
欧  ユーロ圏10月鉱工業生産
欧  OPEC月報

 13日まで延期されていた英国とEUの通商交渉は時間切れが迫る中、ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長が電話会談を行い、EUと離脱後の英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉の継続で合意しました。これまで双方は、「決裂の可能性が高い」とのコメントを発していましたが、これはお互い妥協する意志のないことを見せながらも、相手側から有利な譲歩を引き出す「戦略的な意味合い」もあったかと思われます。両首脳は電話会談後の共同声明で、「ほぼ1年にわたる交渉で双方とも力を尽くしてきたが、一層の努力を重ねる」と表明し、ジョンソン首相は、「英国は合意に向けて努力し、希望がある限りは協議から立ち去らない」と述べています。(ブルームバーグ)

 通商合意がないまま年末を迎えれば、来年1月1日からはEUと英国の貿易で混乱が生じ、企業のコストが上昇することは目に見えています。英国内で製造した自動車をEUに輸出する際には10%の関税が賦課され、ドイツやフランス車との販売競争では価格面で劣勢に立たされることが予想されます。英国内に製造拠点を持っているトヨタやホンダなど日本のメーカーにとっても、生産拠点の移転を含め、深刻な問題になっています。交渉をさらに継続することで合意はしたものの、漁業権など、深刻な問題を残しており、残された時間は多くありません。ドイツのメルケル首相は13日の記者会見で、「交渉における立場は何ら変わっておらず、協議が容易でないという事実は明らかだ」と述べています。

 ファイザーとビオンテックが開発したコロナワクチンは米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を承認したことで、14日に最初の発送が行われ、16日までに全米50州で最初の搬送が終了するようです。今回は医療従事者を優先し、高齢者施設入所者への接種はごく一部にすぎないと言われており、一般市民に行き渡るにはまだ時間がかかるようです。一方でコロナによる感染では米国内での死亡者は30万人に迫っています。ロスアンゼルス市のガルセッティ市長は、「今週は20分ごとにロスアンゼルス郡では誰かが新型コロナで亡くなっている」と警鐘を鳴らしています。カリフォルニア州では新規感染者が2日連続で3万5000人を超えています。

 日本でも感染者数は増加しており、昨日は初めて全国での一日の感染者数が合計で3000人を超えてきました。政府はようやく重い腰をあげ、東京と名古屋での「GoToキャンペーン」の一時停止を検討するようです。「勝負の3週間」も今週で終わりますが、このままではどうやら「勝負に負けた」ようです。来週からはクリスマス、年末年始にお正月と、1年で最も人の往来が激しい時期を迎えます。その前に医療崩壊がおこらないことを願うのみです。

 今週は16日に今年最後のFOMCがあるため、それまではさらに値動が緩慢になりそうです。FOMCの決定を受けて相場が動いてくれればいいですが、そこでも動かないようだと、そのままクリスマス休暇に入り、年末を迎えることになります。「掉尾の一振」が果たしてあるのかどうか、気を抜かずに注意したいところです。

 本日のドル円は103円60銭~104円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)