ドル円は小動きの中、ほぼ前日と同じ展開。経済対策の早期実現への観測が高まったものの、104円台前半の動きに終始。
 ユーロドルも同じように、1.21台前半で小動き。株式市場は3主要指数が揃って上昇。ナスダックとS&P500が最高値を更新。S&P500は初の3700ポイント台に乗せる。経済対策の実現性が高まったことを好感。債券はほぼ横ばい。長期金利は0.91%台後半に。金は続伸し、原油は小幅に続落。

ドル/円   104.03  ~ 104.20
ユーロ/ドル 1.2100  ~ 1.2134
ユーロ/円  125.99  ~ 126.25
NYダウ   +104.09 → 30,173.88ドル
GOLD   +8.90   →  1,874.90ドル
WTI    -0.16   → 45.60ドル 
米10年国債 -0.005  → 0.918%

【本日の注目イベント】

豪  豪12月ウエストパック消費者信頼感指数
中  中国11月消費者物価指数
中  中国11月生産者物価指数
独  独10月貿易収支
加  カナダ中銀政策金利発表

 足元の市場を動かすドライバーは「コロナワクチン関連」と「米経済対策の実現性」の行方に絞られているようです。この2つの材料がポジティブかネガティブかで、先ず株式市場が反応し、それに伴って為替や債券が若干連動する動きが強まっています。確かに、この2つの材料は2021年の米景気、ひいては世界景気を占う上では極めて重要なファクターであることは間違いありません。

 共和党のマコネル上院院内総務は記者会見で、経済対策法案に企業の免責条項を盛り込むという従来の要求を断念しても良いと示唆しました。その代わりに州政府支援の要求を取り下げるよう民主党に迫ったとブルームバーグが伝えています。
 マコネル氏は会見で、「経済対策を成立させずに会期を終えられない、と私だけではなく、両党の全議員が考えていると思う。米国はこれを必要としている」と述べています。9080億ドル規模の超党派案は再び行き詰まりを迎え、共和党指導部はムニューシン財務長官、メドウズ大統領首席補佐官と協議する予定のようです。また、マコネル氏の譲歩は行き詰まりを打開し、妥協に導く可能性もありますが、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は譲歩を示したマコネル氏を批判し、「超党派の両院議員による交渉は順調に進展しており、マコネル氏の妨害を受け取ることなくさらに前進を認められるべきだ」と語っています。

 ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は本日(9日)ブリュッセルで協議を行う予定です。英国とEUの通商協定成立に向けた最後のチャンスになるかもしれませんが、会談を控えてジョンソン首相は「率直に言わなければならない。現時点で、状況は非常に難しいと認識している」と記者団に語り、「合意できることを強く期待しているが、交渉を諦める時が来るかもしれない」とした上で、「分別のある独立した政府や国なら、明らかに超えられない限界というものがある」と警告しています。英国とEUでは、公平な競争条件とガバナンス、漁業権という3つの重要な問題が残っており、英首相秘書官は、「今回合意に達することが出来ない場合でも、来年まで交渉を続けることはしない」と述べていることもあり、交渉が決裂する可能性も決して低くはありません。場合によっては、2021年からの英国とEUの貿易に大きな影響を及ぼすことになります。

 トランプ大統領はコロナワクチンを米国民に優先的に配布する大統領令に署名しました。米食品医薬品局(FDA)は明日の会合でファイザーなどが開発したワクチンを承認すると思われますが、バイデン次期大統領も昨日、自身の就任後100日間でワクチン1億回分を提供すると公式に述べています。
 米国内の配布を優先すれば、供給量の点からもワクチンが日本へ届くのは来春以降に
なる可能性もあるかもしれません。日本でも昨日はコロナによる死者数が47人と、過去最多を記録しており、ワクチンがあれば助かる命もあったと思われ、早期の配布が求められます。もちろん、ファイザーやモデルナとは供給を受ける契約は結んでいますが、トランプ大統領が署名した「大統領令」がその供給量を制限する可能性もあります。

 今朝の経済紙で投機筋の「円買い」ポジションが4年ぶりの高水準になっているとの記事が掲載されていました。この欄でも何度も触れていますが、市場では「ドルの先安観」が優勢なため、ドルショート(円買い)を積み上げていることの証左です。筆者もこの先ドルが下落する可能性方が高いと予想していますが、これは想定内で、今後半年とか1年続くことはないと考えています。過去15年を見ても、投機筋の円買いの期間が1年を超えて継続されたことはありません。2016年も、その年の1月からネットで円買いに傾き、12月にはネットでドル買いに転じています。今回の「ネット円買い」は3月から始まっていますが、1年以上続かないとすれば来年1月で終わる可能性があることになります。その通りにはならないとしても、円ロングが増えれば増えるほど、ドル安が進めば円を売り戻す動きも活発になるということです。これが、ドル下落を抑制する動きになる可能性もあります。また、仮にここから106円を超えるドル高になれば、ポジションを決済する「損切」を余儀なくされる展開もないとは言えません。連日同じような水準ですが、何か既にクリスマス休暇に入ったような雰囲気です。

 本日のドル円は103円80銭~104円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)