米経済対策の早期実現観測が強まり、ドル円は下落。104円を割り込み、103円68銭までドル安が進む。ユーロドルは続伸。1.2174までユーロ高が進み、ドル安の流れがさらにユーロ買いにつながる。
 株式市場はまちまちながらS&P500を除く主要指数は続伸。リスク選好の流れが続く中、経済対策の実現性が高まったことで、ダウ85ドル高。ナスダックは27ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は反発。長期金利は0.90%台へと低下。金は3日続伸。原油は「OPECプラス」が来年以降の段階的減産縮小で合意したことを好感し続伸。

新規失業保険申請件数              → 71.2万件
11月マークイットサービス業PMI(改定値)  → 58.4
11月マークイットコンポジットPMI(改定値) → 58.6
11月ISM非製造業景況指数          → 55.9

ドル/円   103.61  ~ 104.12
ユーロ/ドル 1.2135  ~ 1.2174
ユーロ/円  126.03  ~ 126.57
NYダウ   +85.73  → 29,969.52ドル
GOLD   +10.90  →  1,841.10ドル
WTI    +0.36   → 45.64ドル
米10年国債 -0.03-  → 0.906%

【本日の注目イベント】

豪  豪10月小売売上高
独  独10月製造業新規受注
米  11月雇用統計
米  10月貿易収支
米  10月製造業受注
米  ボウマン・FRB理事講演 

 ドル円は再び104円を割り込み、103円68銭前後までドル安が進みました。前日にも主要通貨に対してドル安が進みましたが、円に対してはほぼニュートラルでした。昨日は円も含めドル全面安の展開でした。注目のユーロドルはさらに続伸し、1.2174近辺まで買われています。昨日のコメントでも触れたように、ユーロドルは着々と1.20台を固めているような動きを見せています。ポンドも対ドルで大きく上昇しています。
 英国とEUとの通商交渉でEU側の代表を務めるバルニエ主席交渉官は、4日朝ロンドンを出発し、ブリュッセルに戻る予定です。ブリュッセルで欧州委員会のフォンデアライエン委員長および、EU27カ国の大使らと最終的な合意条件に付いて協議する予定のようです。通商協議の大枠が今後48時間以内に明らかになる可能性があると報じられています。

 また米国の経済対策実現への可能性がさらに高まったとの観測も、リスク選好につながったようです。
 共和党のマコネル院内総務は、民主党が従来の主張より小規模な景気対策に前向きな姿勢に転じたことは「心強い」と評価し、「妥協が視野に入ってきた。われわれが合意する分野は分かっている。これを成し遂げることは可能だ」と述べ、さらに「どうすれば行き詰まりを打開できるかは、ずいぶん前から誰の目にも明らかだった」(ブルームバーグ)と語っています。かなり豹変したようにも思える発言ですが、これで経済対策が、規模は異なるものの年内に議会を通過する可能性はぐっと高まりました。

 前日、英国が欧米で初のコロナワクチンを承認し、早ければ7日にも配送されるファイザー社のワクチンについて、同社は、サプライチェーンの面で問題が発生しているとして、年内に出荷量を当初計画の半分に引き下げる模様だと、ダウ・ジョーンズ通信が報じました。ただ、来年に関しては10億回投与分を超える出荷をなお見込んでいるそうです。
 米国では来週10日に米食品医薬品局(FDA)が会合を開き、ここで同ワクチンが承認されると見られますが、1日も早い配布が待たれます。新型コロナウイルスの感染拡大は依然として衰えてはおらず、世界で1日の新規感染者数は70万人を上回ってきました。イタリアでは1日の死者数が3月のピークを上回り過去最多となり、世界の死者数は合計で150万人を超えてきました。
 感染拡大が続いている米カリフォルニア州では、州内の大部分の地域で数日以内にロックダウンを実施する可能性があると、同州の知事は警告しており、「要するに、われわれが今行動しなければ、医療システムは押しつぶされることになる」と述べています。日本でも感染による死者の数がここ2週間ほどで急増し、1日で50人に迫る日もあります。東京都では死者の90%以上が60歳を超えた高齢者だとのデータを発表しています。また医療現場では、医師や看護師の過労がピークに近いといった報告もあります。

 ドル円は再び103円台半ばまで下落し、先月106円台半ばまで反発して以来、4回目の「103円台半ば割れテスト」ということになります。リスクオンが強まるとドル安が進む傾向は定着しつつあり、今後も株高が続くと予想するのであれば、ドル円が103円を割り込んでもおかしくはない状況です。今夜の雇用統計がそのきっかけになるかもしれませんが、事前予想は、非農業部門雇用者数が「45.5万人の増加」で、先月よりは雇用の増加の勢いは鈍化していると見られています。

 豪ドル円は昨日のNY市場で77円台半ばまで上昇してきました。約3カ月ぶりの高水準を付けましたが、対ドルでは上昇傾向が鮮明です。先月の会合でRBAは政策金利を引き下げ、過去最低となる0.1%にしました。ただ、その後政策金利の打ち止め感が台頭し、さらに新型コロナウイルスの感染拡大でオーストラリア第二の都市メルボルンをロックダウンしましたが、感染拡大阻止には成功しています。
 また同国の主要輸出品である鉄鉱石の価格が上昇していることも追い風となっており、10月の鉄鉱石の輸出額は109億豪ドルと過去最高を記録しました。6月に過去最高を更新しましたが、再びその記録を上回っており、同国の輸出全体をけん引しています。豪ドル円の次のターゲットは78円台半ばと見られますが、ドル円で円高が急速に進むようだとブレイキがかる可能性もあります。

 本日のドル円は103円30銭~104円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)