日本政策金融公庫(東京都千代田区)が発表した「第10回取引先海外現地法人の業況調査報告」によると、今後3年程度の事業展開における有望国・地域として、ベトナムが7年連続で1位となった。

  同調査は、取引先の海外での事業概況などを把握するため、2011年から毎年実施しているもの。調査対象は日本政策金融公庫中小企業事業の取引先海外現地法人で、回答企業数は1529社。このうち44.0%(673社)が在ASEAN、うち27.8%(187社)が在ベトナムの企業となっている。今回の調査では、従来の項目に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に関する項目を質問している。

  今後3年程度の事業展開における有望国・地域について「ベトナム」と回答した企業は全体の28.0%で、前年の29.9%から減少したものの、2位の中国の7.4%を大きく引き離してトップとなった。次いで、◇ミャンマー(7.3%)、◇インド(6.2%)、◇インドネシア(6.1%)などとなっている。

  ベトナムを有望国とする理由としては、「労働力が豊富」(46.6%)に代わって「現地市場の将来性が高い」(50.0%)が最も多くなったほか、「政治・社会情勢が安定している」(26.7%)を挙げる企業の割合が前回調査よりも上昇した。このほか、「既存取引先がすでに進出」(26.4%)、「優秀な人材の確保が可能」(25.0%)が挙がっている。

  今後3年程度の経営方針(進出している国・地域での事業展開)について、在ベトナム企業の48.1%が「拡大」と答えた。また、◇「現状維持」:44.8%、◇「縮小」:2.7%、◇「撤退」:1.1%、◇「未定」:3.3%だった。

  新型コロナの影響度合いについては、回答した在ベトナム企業の40.5%が「マイナスに大いにある」と答えた。次いで、◇「マイナスにややある」:38.9%、◇「なし」:14.1%、◇「プラスにややある」:4.3%、◇「プラスに大いにある」:2.2%。ただし、「マイナス」と回答した企業の割合は他の国・地域と比べてベトナムが最も少なかった。

  新型コロナの影響が解消する時期については、在ベトナム企業の54.7%が「2021年」と回答。38.1%が「2022年以降」、7.2%が「2020年」と答えた。(情報提供:VERAC)(イメージ写真提供:123RF)