新型コロナウイルスの抑え込みに成功した中国では、この10月にレストラン収入も単月でプラスに転じた。2020年の経済成長率は、全世界がコロナ禍でマイナス成長に落ち込む見通しの中、前年比2.2%程度のプラス成長で着地しそうだ。世界経済のけん引役に復帰しそうな中国に死角はないのか? 大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏が11月20日に「中国経済見通し:強さに死角はないのか?」と題したレポート(全11ページ)を発表した。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国は3月初旬の段階で新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功した。経済活動は正常化に向かい、中国経済は4月~6月に急回復を遂げ、その後も順調に拡大している。牽引役は投資である。固定資産投資(累計ベース、以下同)は1月~2月の前年同期比24.5%減から1月~9月にプラス転換を果たし、1月~10月は同1.8%増に加速した。回復の遅れていた接触型消費の代表格であるレストラン収入も10月単月ではコロナショック以降、初めて増加に転じた。成長率見通しに変更はなく、2020年の実質GDP成長率は前年比2.2%程度と、世界同時不況の中でのプラス成長を維持しよう。2021年は同7.1%程度と想定している。

◆短期的には中国経済の強さが際立つが、中長期的に見れば死角はもちろんある。コロナ禍からの回復の過程で投資依存度が高まるのは仕方がない。ただし、2022年秋に5年に一度の最重要会議・党大会を控える中国には、高めの成長を維持する誘因があり、投資依存が長期化する懸念がある。収益性の低い過剰な投資は金融リスクの増大につながるだけに注意を要する。党大会では習近平氏の続投がほぼ確実視されるが、権力の永続化は当然、政治的なリスク要因である。永続化を防ごうとする勢力とのせめぎあいも政治的不安定を招きかねない。党大会前後の中国の政治・経済情勢には細心の注意を払う必要があるということだ。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)