ドル円は良好な経済指標を手掛かりにドル買いが優勢となり、104円台半ばを回復。一時は104円63銭までドル高となり、米長期金利の上昇も支援材料に。ユーロドルは1.1904まで上昇したが1.19台は維持できず。株式市場は大幅に上昇。発表されたPMIが良好だったことに加え、コロナウイルスの開発に関わる朗報や、次期財務長官にイエレン前FRB議長が指名されるとの報道に安心感が出て株価を押し上げる。ダウは327ドル上昇し、他の主要指数も揃って上昇。債券は売られ、長期金利は0.85%台に上昇。ドルが買われたことで金は大きく反落。約4カ月ぶりとなる1828ドル台まで下落し、1837ドル台で取引を終える。原油は続伸し43ドル台に。


10月マークイット製造業PMI(速報値) → 56.7
10月マークイットサービス業PMI(速報値) → 57.7
10月マークイットコンポジットPMI(速報値) → 57.9


ドル/円  103.70 ~ 104.63
ユーロ/ドル  1.1802 ~ 1.1904
ユーロ/円  123.21 ~ 123.82
NYダウ  +327.79 → 29,591.27ドル
GOLD  -34.60 → 1,837.80ドル
WTI  +0.64 → 43.06ドル
米10年国債  +0.029 → 0.854%
本日の注目イベント

日 黒田日銀総裁講演
独 独7-9月期GDP(改定値)
独 独11月ifo景況感指数
米 9月ケース・シラ-住宅価格指数
米 9月FHFA住宅価格指数
米 11月消費者信頼感指数
米 11月リッチモンド連銀製造景況業指数
米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、WSJのイベントに参加

 大統領選での勝利を確実にしたバイデン氏は、自身の政権の外交トップとなる国務長官にアントニ-・ブリンケン氏を起用すると発表しました。ブリンケン氏はオバマ政権時代の国務副長官を歴任し、バイデン氏は長年のアドバイザーを務めた人物です。また財務長官にはジャネット・イエレン前FRB議長を指名する計画で、実現すれば初の「女性財務長官」ということになります。また財務長官候補の一人として名前の挙がっていたブレイナードFRB理事に対して、FRB内に留まるよう要請していると、伝えられています。ブレイナード氏は、2022年にパウエル議長の任期が切れた際には、後任として筆頭候補になる可能性があり、オバマ前大統領に指名された唯一の民主党系メンバーです。(ブルームバーグ)

 バイデン氏はこの他にも、大統領首席補佐官や国家安全保障担当補佐官も指名しており、いまだ「敗北宣言」を行っていないトランプ氏をよそに、着々と「外堀を埋めている」状況です。

 ドル円は103円台から104円台半ばまで反転し、今回も103円台半ばまでドル安が進んだものの103円台を割り込めず、底堅い動きになっています。米長期金利も、0.70%から0.8%台で一進一退となっており、金利面からドルを大きく売る展開でもなさそうです。上記バイデン政権の閣僚名発表に加え、マークイットの発表したPMIが良好で、製造業、サービス業、コンポジット全てで前月を上回っていたこともドル買いにつながったようです。またコロナワクチンを巡る動きでも、ファイザーは開発中のワクチンの緊急使用許可を20日に米食品医薬品局(FDA)に申請しており、FDAは12月10日に同ワクチンを承認するかどうかの有識者会合を開くとしています。従って、早ければ12月11日にも同ワクチンが米各州で接種される可能性があります。また、英製薬大手アストラゼネカは23日、オックスフォード大学と共同開発中のコロナワクチンについて、臨床試験の段階で平均70%の有効性が確認されたと発表しています。ファイザーなど、先の2社に比べ現段階での有効性は劣るものの、入院や重症化も確認されなかったと発表しています。ようやくコロナワクチンが人々の手の届くところまで来ましたが、日本に配布されるのは来年1月以降になる模様です。

 一方、コロナ感染の拡大に歯止めがかかりません。米国ではコロナ感染者の急増で、医療施設の病床に占めるコロナ患者の割り合いが大きく上昇しており、医療崩壊が現実的になってきました。またイタリアでは累計死者数が5万人を超え、欧州では英国に次いで2番目に大台を突破したと報告されています。日本でも、北海道や大阪では連日過去最多の感染者数が確認され、政府はようやく、大阪市と札幌市を「Go to」の対象地域から除外する方向で検討しているようです。昨日のテレビのニュースでも、天候が良かったこともあり、この3連休、観光地はどこも多くの人で一杯でした。2週間後の結果が、今から心配です。

 ドル円は「1時間足」では1週間ぶりに目先の抵抗線と見られる「120時間移動平均線」を上抜けしてきました。本日の上値のメドは「4時間足」の200時間線が位置する、104円75銭前後を抜けることができるかどうかがが一つのポイントかと思います。依然としてドルの上値が重いことは変わりませんが、底値の方も103円台前半が抜け切れないのも事実です。まだ「ドルショート先行の地合い」は変わっていませんが、突っ込み売りには注意をしたいところです。本日のレンジは104円~104円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)