ドル円は再び104円台半ばまで売られる。株価の大幅上昇にリスク選好のドル売りが優勢となり、104円57銭までドル安に。ユーロドルも反発。1.1837までユーロ高ドル安の流れが進む。

 株式市場は3主要指数とも揃って大幅に上昇。コロナワクチン関連や景気敏感株が買われる。ダウは400ドル程上昇し、S&P500は48ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は下落し、長期金利は0.89%台へと上昇。金は上昇し、原油は続落。

10月財政収支     →  -284.1b
10月生産者物価指数  →  0.3%
11月ミシガン大学消費者マインド(速報値)   →  77.0

ドル/円   104.57 ~ 104.92
ユーロ/ドル 1.1809 ~ 1.1837
ユーロ/円  123.65 ~ 124.08
NYダウ   +399.64 → 29,479.81ドル
GOLD   +12.90  → 1,886.20ドル
WTI    -0.99   → 40.13ドル 
米10年国債 +0.015  → 0.896%

【本日の注目イベント】

日  7-9月GDP(速報値)
日  9月鉱工業生産 (確定値)
欧  ラガルド・ECB総裁講演
米  11月NY連銀製造業景況指数
米  デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演(オンライン)
米  クラリダ・FRB副議長、オンライン討論会に参加

 ドル円は再び104円台半ばまで売られてきました。先週は米長期金利が0.97%台まで上昇したことで、ドル円は105円65銭まで買われました。この欄でも触れたように、その水準から上方には重要なレジスタンスがあり、105円80銭近辺までうまく上昇出来れば、テクニカル的にもう一段の上昇も見込める形状になった可能性がありましたが、結局レジスタンスに上昇を阻まれた格好で押し戻されています。先週末のNYでは株価が大幅に上昇し、S&P500は9月以来となる最高値の更新でした。NYダウとは異なり、S&P500が最高値を更新したということは、ハイテク株や一部の銘柄が買われたわけではなく、「幅広く買われた」ことを意味し、新型コロナウイルス感染が急拡大している状況にも拘わらず、引き続き株式市場には新規の資金が流れ込んでいることになります。コロナが克服された際には、一体どんな景色が見られるのでしょうか・・・。

 米主要メディアは大統領選の結果が50州全てで開票され、バイデン氏が「306」、トランプ氏が「232」の選挙人を獲得し、勝敗が決まったと報じました。ただトランプ氏はツイッターの投稿で「選挙に不正があったから(バイデン氏は)勝利した」と述べ、「私は何も認めていない!」と反論しています。一方勝利を確実にしたバイデン氏は次期政権の閣僚人事の構想を考えているとされており、財務長官候補として前FRB議長のジャネット・イエレン氏の名前も挙がっています。懸念されるのは、トランプ氏があくまでも敗北を認めず、「政権移行」が大幅に遅れる事態です。ここまで来たら、バイデン氏の勝利がひっくり返えることはないにしろ、政権の移行がスムーズに行われず、来年1月20日の大統領就任式までに正式に決まらない可能性もないとは言えません。そうなると、好調な株式市場も大幅に売られ、今度は「リスク回避の円買い」が活発になるかもしれません。トランプ政権のポンペオ国務長官は「トランプ政権はスムーズに継続される」と述べ、側近ぶりをアピールしています。

 気になるのは、米国のコロナ感染が再び急拡大してきたことです。先週には1日の感染者数が19万人に迫る日もあり、15日には累計感染者数が1100万人を超えています。バイデン氏に、コロナ対策を助言するパネルチームのトップであるマーシー前医務総監は全国的なロックダウンには否定的な意見ですが、カリフォルニア州では1日の感染者数が2万人に迫り、ここ数カ月では最悪の状況です。また、フロリダ州でも15日には1万人を超え、7月以来最多となっています。先週12日に開かれた金融シンポジウム、ECBフォーラムでパウエルFRB議長は、「リスクは明らかに米国でのさらなる感染拡大だ」と警戒感を示し、「今後数カ月は厳しい状況が続くだろう」と述べていました。

 株高・ドル安の流れが再び強まってきたような印象ですが、ドル円の浮上のカギは米長期金利が1%を超えることができるかどうかにかかっていると考えます。バイデン政権への早期移行ともに、大規模な経済対策の議会通過が待たれます。

 本日のドル円は104円30銭~105円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)