中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が10月26日~29日に開催され、最終日にコミュニケが発表された。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は10月30日、「中国:5中全会、目標は2035年に中等先進国」と題したレポート(全4ページ)を発表し、会議の最終日に発表されたコミュニケ(6200文字程度の簡潔な発表文)に基づいて、今後の中国経済の行方を展望している。特に、「ポスト習近平」を占う重要人事が発表されなかったことで、習近平政権で敷かれた現在の政策が、今後5年間も継続する基本路線が確認されたとしている。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が閉幕した。ポスト習近平を占う上で、後継を示唆する重要人事が発表されるとの観測が一部にあったのだが、人事の発表はなかった。2022年秋に開催されると目される第20回党大会では、内規の年齢制限にかかわらず習近平氏が最高指導者として続投する可能性が高い。

◆2021年~2025年の第14次5ヵ年計画の期間中の成長率目標は2021年3月に開催されるであろう全国人民代表大会(全人代)で発表される運びとなっている。5%から6%の間を軸に議論が展開されようが、成長の速さではなく、発展の質を重視するのであれば、より下限に近い方が債務の膨張などを招きにくい。

◆2035年までの長期目標の基本方針では、一人当たりGDPが中等先進国のレベルに達することを目標に掲げた。2019年の一人当たりGDPは1万ドルを少し超えたレベル(10,162ドル)であった。具体的な目標値は発表されていないが、仮に2.5万ドルであれば今後16年間は名目で平均5.8%、3万ドルでは同7%の増加が必要となる計算である。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)