モーニングスター <4765> は10月23日、2021年3月期第2四半期決算を発表した。連結売上高は9期連続の増収、当期利益は11期連続の増益となり、6期連続で最高益を更新した。売上高は36.15億円(前期比8.5%増)で4期連続で過去最高を更新、当期利益は6.96億円(同1.7%増)だった。当日、決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「連結当期利益はコロナで非常事態宣言のあった第1四半期(4月~6月)の前年同期比15.7%減益から、当四半期は同26.8%増益へとV字型に回復した。19日の東証1部への市場変更を前に実施した増資によって成長分野への投資も実施した」と、下期以降に一段の成長加速に意欲を示した。

 第2四半期は、金融機関向けの提供しているスマートフォン、PC向けのデータ提供が8.6%増収、また、株式新聞のWeb版が26%増収となった。「コロナ禍による巣ごもり需要に対応し、金融機関はWeb上でライフプラン/相続関連ツールなどを拡充し、対面営業ができない分を、ネットで情報提供を強化するという動きに出ている」(朝倉氏)と、コロナ禍でウェブ広告やセミナー関連が減収となる中でも、増収を確保している分野で全体の売上の底上げがあったと語った。また、新たに連結対象となったSBIボンド・インベストメント・マネジメント、SBI地方創生アセットマネジメントの寄与もあってアセットマネジメント事業が28.1%の増収になった。

 また、コロナ禍にあっても、主力のタブレットアプリ「Wealth Advisors」事業は順調に進展。提供社数は前第2四半期末に対し14.2%増の458社、提供台数は9.8%増の9万2927台になった。特に、地方銀行・第二地方銀行(102行)の中で、73行が「Wealth Advisors」を利用しており、業界のスタンダードとして利用が定着している。

 なお、コロナ禍で環境が厳しいメディア・ソリューション事業では、YouTube公式チャネル登録数が2020年4月末2000人から、5カ月足らずの10月22日には1万1546に急拡大した。このYouTubeの利用者増もあって、9月に開催した「投信EXPO 2020」はリアルセミナーとオンラインのハイブリッド型で開催し、オンラインを合わせると当日に9572人がセミナーを視聴した。リアルセミナーの参加者は、コロナ対策で入場者数を制限したため、前回の4574人から420人に大幅に減ったものの、オンライン閲覧者数は9152名を数えた。朝倉氏は「地方在住の方から、オンライン開催はありがたいというお声を多くいただいた。今後は、ハイブリッド開催に軸足を置いて、多くの方々の情報を届けるセミナーを続けていきたい」と語っていた。

 一方、アセットマネジメント事業は、2019年12月に子会社化したSBIボンド・インベストメント・マネジメントとSBI地方創生アセットマネジメントが、両社合計で運用残高が8282億円だったものが、2020年9月末には1兆5227億円へと大幅に拡大した。この受託額は、地域金融機関を中心とした機関投資家からの資金であり、SBIグループが進める地方創生事業に加えて、「Wealth Advisors」の提供等を通じて深い接点のある同社グループに入ったことが、事業成長に良い効果を生んでいる。SBIボンド・インベストメントは当第2四半期の営業利益が前年同期比95.1%増、SBI地方創生アセットは当第2四半期で営業利益が黒字転換している。

 今後の展開として、朝倉氏は地域金融機関の資産運用アドバイス業務と有価証券運用のサポート、そして、企業型確定拠出年金(DC)の加入者750万人の年金運用のサポートという2つの側面を強化すると語った。

 地域金融機関向けには、2021年5月の提供開始をめざして子会社イー・アドバイザーがオリジナルのロボアドバイザーを開発中とした。「ESGの観点を取り入れた本邦初のESGラップサービスとし、定期引出サービスを加えるなど、資産形成層に加えて資産活用層にも使っていただける新しいタイプのロボアドバイザーとして提供する」(朝倉氏)という。また、「Wealth Advisors」には資本・業務提携したMILIZE社のAIやビッグデータ解析を活用したライフプランシミュレーションツールなどを付加し、よりきめ細やかなアドバイスツールへとバージョンアップを図る。さらに、MILIZE社のポートフォリオ分析、リスク管理ツール「Acrux」は、地域金融機関が有価証券運用の多様化・高度化をサポートするツールとして提供するとした。

 また、企業型DCの分野には2021年3月をめどに子会社イー・アドバイザーを使って投資助言サービスをアプリで提供する予定とした。朝倉氏は、「企業型DCで課題と感じるのは、加入者の運用利回りが低いこと。ゼロ金利であるにもかかわらず、預貯金などの元本確保型商品が残高の52%を占めている状況を動かす必要がある。にもかかわらず、このような加入者の運用実態について経営陣が承知しているのは15%にも満たないという調査結果がある。もっと情報発信を活発化して、企業型DC市場の活性化を図りたい」と語っていた。