スマートフォンのアプリ「健康コード」で行動や決済の履歴が管理され、そのころによってコロナへの感染リスクが「赤(2週間の隔離)」「黄(1週間の自宅待機)」「緑(異常なし)」の3段階で日常的に表示される。中国が導入した「4早(早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療)」のコロナ対策の実現に大きく貢献しているのが、この「健康コード」だという。大和総研の経済調査部 主席研究員の齋藤尚登氏は10月20日、「中国:景気加速、立役者は『健康コード』」と題したレポート(全10ページ)を発表。中国経済の現在について解説した。レポートの要旨は以下の通り。

◆新型コロナウイルス感染症の収束により、中国の経済活動は3月初旬以降、正常化に向かった。感染収束と景気回復に大きな役割を果たしたのが、スマートフォン・アプリケーションの「健康コード」であった。「健康コード」によって、自らの新型コロナウイルスの感染リスクを日常的に把握することが可能になり、「赤」(2週間の隔離)や「黄」(1週間の自宅待機)の表示により、隔離、もしくは自宅待機をすることで周囲への感染リスクを大きく減じることができる。一方で、「緑」は通勤や通学、さらには様々な経済活動のゴーサインとしても活用された。

◆中国国家統計局によると、2020年7月~9月の実質GDP成長率は前年同期比4.9%(以下、変化率は前年同期比、前年比)となった。1月~3月の▲6.8%から4月~6月は3.2%へと急回復し、7月~9月も順調な回復が続いたことになる。景気回復を主導したのは投資である。1月~9月の実質GDP成長率は0.7%となり、累計でもプラス転換を果たした。大和総研は7月~9月の実質GDP成長率を4.5%、10月~12月を6.0%と想定し、2020年年間では2.1%程度の成長を予想していたが、7月~9月の実績を踏まえ、これを2.2%に引き上げる。2021年は7.1%で据え置く。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)