ドル円は小幅に続伸。小動きの中、ドルは底堅く米金利低下にも拘わらず105円70銭まで上昇。ユーロドルでも小幅にドル高が進み、1.1613までユーロは売られる。株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。この日は押し目買いが優勢となり、ボーイングが上昇をけん引。ダウは358ドル上昇し、ナスダックも2.3%上昇。債券は続伸。長期金利は0.65%台まで低下。金と原油は小幅に反落。


8月耐久財受注   → 0.4%


ドル/円  105.47 ~ 105.70
ユーロ/ドル 1.1613 ~ 1.1644
ユーロ/円  122.64 ~ 122.90
NYダウ  +358.52 → 27,173.96ドル
GOLD  -10.60 →  1,866.30ドル
WTI -0.06 →  40.25ドル 
米10年国債  -0.011 → 0.654%


【本日の注目イベント】

日     7月景気先行指数(CI)(改訂値)
欧     ラガルド・ECB総裁講演
米     メスター・クリーブランド連銀総裁講演


 ドル円は小動きながら小幅に上昇し、105円70銭を付け、ユーロドルも1.1613まで「ドル高」が進んでいます。ドル円は先週21日に104円ちょうどまで売られた後、一気に105円台まで値を戻した後はジリジリ買われる展開です。また、ユーロドルも9月1日に1.2012までユーロ高が進んだ後は、ほぼ一貫して下落基調に転じています。ドル円は、それ自体に円を買う材料がない中、やはりユーロの影響を受けて動く地合いが続いており、ユーロドルで「ドル高ユーロ安」が進んでいることが、小幅ではありますが、ドル円を押し上げていると見られます。

 ユーロドルは1.20台を達成した後、ECB高官からユーロ高をけん制する発言が相次ぎ、ひとまず利益を確定する動きとなり、過去最大にまで積み上がった買いポジションの急激な減少につながっています。さらに、欧州では新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、フランスやスペインではロックダウンを余儀なくされる可能性も浮上しており、これがさらにユーロ売りを誘っているようです。ユーロドルは直近高値からすでに400ポイント程下落しています。今後さらに感染が拡大するようだと、回復基調にあるユーロ圏の景気にとって重石になる可能性があります。また、思った以上にドルが底堅いのは、米実質金利の改善傾向も挙げられます。PCEコアデフレータはここ2カ月1.1~1.3%で推移していますが、政策金利がほぼゼロ近辺に誘導されているため、実質金利はマイナスになっており、これがドル売り材料の一つと見なされてきましたが、これが徐々に改善傾向を見せていることがドルの支えになっている側面があります。

 トランプ大統領は26日、連邦最高裁判所の判事にエイミー・バレット氏を指名しました。すでに多くのマスコミが報道しているように、同氏は保守派として知られているため、これで連邦最高裁判所の判事9人のうち、保守派が6人になります。米国の連邦最高裁判所の判事の任期は「終身」であるため、48歳のバレット氏は、今後長ければ40年以上も判事を続けることが出来ます。バイデン氏はこの指名に対して、「大統領選挙後に行い、大統領選の勝者が行うべきだ」と指摘していますが、事前予想では劣勢とされているトランプ氏は郵便投票による投票無効を提訴し、連邦最高裁判所の判断を仰ぐ際に、自身に有利に働くよう「布石」を打っていると見られます。リベラル派の象徴的存在であったギンズバーグ氏とは対照的に、保守派のバレット氏の就任は最高裁判所の右寄りシフトを長年にわたって強固にする可能性があると、ブルームバーグは論評しています。

 上述のように、ドル円は底堅い動きを見せています。このまま一気に上昇トレンドンに入る可能性は低いとみていますが、105円95銭前後から106円20銭近辺までの範囲を形成している一目均衡表の雲(日足)を抜けるようだと、注意が必要かもしれません。まだドルを買う理由はほとんどありませんが、今週末は米雇用統計の発表です。相場に影響を与えやすい経済データだけに、ここが転換点にならないとも限りません。ドル円の上値は引き続き重いと思いますが、注意をしながら雇用統計を迎えたいと思います。また「第1回大統領候補テレビ討論会」は明日29日、オクラハマ州クリーブランドで行われます。時間は90分で、「最高裁判所」や「新型ウイルス」などを中心に、6つのテーマについて議論を闘わせる模様です。こちらも注目材料の一つです。

本日のドル円は105円20銭~106円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)